香港は2月5日に旧正月を迎えるが、この期間、香港各地では新年を祝うさまざまなイベントが開催され、色鮮やかな旧正月の雰囲気と香港独特の文化を体験することができる。香港では「猪」は豚を意味することから、街には多くの豚の装飾が施されている。
一番のハイライトは毎年恒例の5日のナイトパレードと6日の花火大会。パレードは1996年に始まったが、尖沙咀の特設会場と繁華街エリアの交通規制を行い、尖沙咀近辺をゆつくりとした速度で香港企業や各国の観光局など、さまざまなタイプフロートやパフォーマーが練り歩く。18時スタート予定で、パレードの出発地点では有料の観覧席(先着順)でじっくり楽しむこともできる。20時まで広東道、海防道、彌敦道を通過するコースを進む。旧正月2日目の夜にはビクトリア・ハーバーで花火大会が行われ、20時から約30分間、迫力ある花火が打ち上げられる。
ビクトリアパークをはじめ香港各所では、旧正月を祝う花をそなえることも一般的だ。新年に縁起がいいとされる季節の花や草木を飾る習慣があるためで、桜の花は人間関係、特に恋愛関係にいい影響があるといわれ、ミリオンバンブーとも呼ばれる富貴竹は富をもたらすといわれているなど、それぞれの花に意味がある。地元独自の文化を反映した独創的な商品やフードを販売する屋台も軒を並べ、縁日のようなにぎわいを見せる。旧正月前日の夕方に来場者はピークを迎え、花墟公園(Fai Hui Park)(モンコック)は午前7 時~翌午前7時、ビクトリア公園は午前8時~翌午前8時と夜を徹して花を販売する。
大埔(タイポー)の林村許願廣場では香港許願節が開催され、ミカンに願い事を書いた紙をくくり つけ、許願樹といわれる木のレプリカに向かって投げる。元々、村の伝統行事から徐々に広まった願掛けで、より高い位置に紙が引っかかるほど願い事がかなうといわれている。同エリアには旧正月のパレードで使われたフロートも2月19日まで展示。開催時間は8時45分~18時30分。
特に年配者の間で神々を敬う習慣が根付く香港では、大圍(タイワイ)の車公廟(チェコンミュウ)に熱心な参拝者が大勢訪れ、運勢を占うおみくじ「求籤」を引いたり、銅製の風車を時計回りに回したりして新年に幸運を呼び寄せる。
締めくくりは、沙田競馬場で開催される旧正月競馬が人気で、年が明けて最初のレースとして注目も高い。11時~16時に開催予定。ほかにも、香港では坂を上ることが生活の向上を象徴することから、世界最大級の屋外座仏鎮座するランタオ島で、東涌(トンチョン)からケーブルカーに乗り、眼下に広がる緑と海の絶景をハイキングしながら楽しむ人も。多くの商店やレストラン、主要な観光スポット、テーマパークは通常通り営業しているほか、公共交通機関も通常通り運行している。