航空関連のデータを提供しているイギリスの調査会社Official Airline Guide(OAG)は3月27日、2018年3月~2019年2月の世界の旅客線の運航状況を発表し、世界で最も多い便として、香港-台湾線が年間2万8447便(定時運航率70%)で2位にランクインしたほか、トップ20に6路線が入り、世界のハブであることを証明した。
香港-台北間は1日当たりに換算すると約80便が飛んでいる。最大の理由は、香港と台湾の交流が活発であることと、中国と台湾を結ぶ飛行機は直行便があるものの数が少ないからだ。国共内戦の影響が大きく、一時時期は全く交流が無かった。しかし、1980年代後半から中国と台湾の交流が始まり、90年代に入ると台湾資本による中国投資が増加。台湾人が中国に出入りする際、「特別行政区」で独立した自治を行っている香港を経由する形で中国入りしてきたという背景がある。内訳を見ると、国泰航空(Cathay Pacific Airways)が全体の4割を占める1万1341便で、続いて2位=中華航空(China Airline)シェア23%・6631便、3位=長栄航空(Eva Air)同22%・6204便、4位=香港航空(Hong Kong Airlines)同10%・2919便、5位=国泰港龍航空(Cathay Dragon)同5%・1352便。
ほかの路線では、香港-浦東(上海)線が2万678便で4位(定時運航率66.6%)、香港-仁川(ソウル)線が1万5770便で8位(同71.4%)、バンコク-香港線が1万4556便で11位(同71.3%)、香港-北京線が1万4537位で12位(同67.7%)、香港-シンガポール線が1万3654便で17位(72.7%)だった。
1位はクアラルンプールーシンガポール間で3万187便(同72.8%)、3位はジャカルターシンガポールの2万7046便(同80.7%)だった。日本の空港では仁川-関西空港が1万9711便で6位(同71.0%)、成田-台北が1万3902便で14位(76.5%)、関空-浦東が1万3708便で16位(数値未公表)、仁川-成田線が1万3420便で19位(同72.7%)だった。トップ20のうち15路線はアジア線が占め、アジア線以外でのトップはラガーディア(ニューヨーク)-ピアーソン(トロント)線の1万7038便が7位(同54.9%)に付けている。
空港別では香港の6路線を筆頭に、シンガポールは4路線、台北と仁川は3路線など、この4空港がトップ3を占める。日本の国際空港の要である成田は2路線とアジアのほかの主要空港に後れを取った。ただ、国内線でみると、福岡-羽田が3万9406便で世界5位、千歳-羽田が3万9271便で7位にランクインし存在感を見せている。国内線1位は韓国の済州-金浦の7万7460便だった。
OAGは定時運航についてのデータも発表しており、定時運航率が最も高かったのは89.79%を記録したスペインのコパ航空、2位は89.17%だったラトビアのエア・バルティック、3位に88.11%の香港航空が入った。日本で全日本空輸が84.43%で11位、日本航空が83.99%で13位だった。