代表作「ひまわり」や「星月夜」などを生んだオランダ出身の有名画家、フィンセント・ヴァン・ゴッホの人気絵画をマルチメディアを利用した展示方法で紹介する「ヴァン・ゴッホ・アライブ」展が4月6日から、九龍湾(1/F,FTLife Tower, 18 Sheung Yuet Rd, Kowloon Bay)で開催される。
画家人生のほとんどをフランスで過ごしたゴッホは現在の名声とは裏腹に生前に売れた作品は1枚のみで常に弟の援助の下、暮らした不遇の画家として知られている。自ら剃刀で耳を切り落としたり、精神病院への入院や自殺を図ったりするなどの奇行や激しい気性で知られる一方、その真相は謎に包まれてきた。弱冠37歳で死を迎えるまで遅咲きの画家人生はわずか十年足らずとなったが、その間に約2000点の作品をこの世に残している。
すでに世界35の都市で公開された同展では、作品を中心に3000点以上の画像を会場に設置された40台の高画質プロジェクターで壁、天井、床をキャンバスに見た立てて投影。巨大に投影されたゴッホの有名作品に囲まれ、その世界観の中に浸れる仕組みとなっている。そのほか超高画質な映像を通じて、ゴッホが使った色合いや技法を、絵画を直接観察するよりも詳細に観察することが可能となるため、新しい視点で鑑賞することができる。
会場には、特別に編成されたクラシックのサウンドトラックが流れ、ゴッホの著名な作品と共に音楽も楽しむ新しい絵画鑑賞体験となっている。展示はゴッホの活動時期、すなわちフランスで滞在した地域ごとを区切り展示している。代表作の一つ「アルルの寝室」が実物大に再現され、まるでゴッホの寝室を訪れたかのような体験も用意。鑑賞者は作品と共に、ゴッホが愛した南仏のアルル、サン・レミやパリ近郊のオーブェル・シュル・オワーズなどを旅する気分を味わえる。
同展はオーストラリアのGrande Exhibitions社が制作したもので、同社が開発した特殊技術SENSORY4を駆使した展示。マルチチャンネルの映像と劇場品質の音響システム、高画質プロジェクター40台を組み合わせてマルチスクリーンを使った展示空間を作り上げる独自開発のシステムだ。同社はユニークで先進的な展示制作に取り組んでおり、画家であり、科学者でもあり万能の天才と称されたレオナルド・ダ・ヴィンチの展示や、サメに関する総合的な展示、ルイス・キャロル作の童話「不思議の国のアリス」の展示など数々の世界巡回展を行っている。
開館時間は10時~21時(金曜~日曜、祝日は22時まで)。入場料は、子ども(4歳~15歳)=190香港ドル、大人(16歳以上)230香港ドル。チケットは予約制で、ウェブサイトで販売。混雑を避けるため、日付と時間を予約して来館するシステム。7月7日まで。