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中小企業の事業環境についての調査 香港が2位にランクイン

中小企業にとってビジネスがしやすい香港

中小企業にとってビジネスがしやすい香港

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 信用保険の世界的大手企業であるフランスのユーラーエルメスは11月24日、中小企業のビジネス環境を指数化した「countries assessed by our 2019 SME Business Climate Index」を発表し、1位のカナダに続き、香港は2位にランクインした。

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 調査対象は、カナダ、アメリカ、香港、シンガポール、イギリス、オランダ、ベルギー、ドイツ、ポーランド、アイルランド、フランス、スロバキア、チェコの13カ国・地域。調査項目は、1=税制、2=輸出機会、3=資金調達、4=各種手事業続き、5=労働市場の柔軟性、6=競争力の6つで行った。1位に輝いたのはカナダで、2位に香港、3位にアメリカとなった。カナダは輸出機会では11位と下位に沈んだが、税制、資金調達の2部門でトップとなり、競争力でも3位と各項目別で高い評価を得た。

 香港は、税制=4位、輸出機会=7位、資金調達=8位、各種手事業続き=2位、労働柔軟性=1位、競争力=9位と1項目もトップ10を下回ることがなく、こちらも高いレベルでの評価だった。

 ユーラーエルメスは、香港については次のように評価している。事業手続きについて2位になった要因を「手続きが容易なのは自由にビジネスをすることができる大きなバックアップ役を果たしている」とした。税金に関しては香港の場合2018年に法人税の法律を改正。利益のうち200万香港ドルまでは従来の16.5%から8.25%と税率が半分になり、200万香港ドルを超えると16.5%が適用されることになったことも中小企業にとってはメリットだとしている。

 ネガティブな点については、まず資金調達を挙げる。企業向けの貸出金利であるプライムレートが高いことを指摘した。ただ、香港金融管理局(HKMA)は、米国の連邦準備制度理事会(FRB)がアメリカ時間10月30日に下げを決定したことに伴い、10月31日に香港の政策金利を0.25%引き下げ2%とした。それに伴い、HSBCはプライムレートを11月1日から5.125%から5%に2008年以来初めて引き下げた。HSBC傘下の恒生銀行も11月1日からHSBCと同じく5.125%から5%に、スタンダードチャータード銀行も1日から5.375%から5.25%と、それぞれ引き下げた。また、オフィスの賃料が非常に高額であることは経営を圧迫していると指摘。不動産価格は、それほど大きく変わらないだろうという点をマイナス要因とした。香港の景気減速と米中貿易摩擦は香港にとってチャレンジングな状況になるだろうと推測している。

 香港は起業しやすいことで、新しい人がどんどん起業を社会に活気を与え、その起業が成功すれば雇用の創出も生まれる。そうした環境に魅力を感じて外国人も多く来港し起業する人が後を絶たない。香港在住日本人が香港で起業し成功を収めた例も少なくなく、今回の調査結果を裏付けている。

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