「ミシュラン・ガイド香港・マカオ版(米芝蓮指南香港澳門)2020」が12月17日、マカオのグランドハイアットで発表され、香港の3つ星レストランは10店だった。香港版は12版目となる。ミシュランガイドのグウェンダル・プレネック(Gwendal Poullennec)さんは冒頭のあいさつで、「香港・マカオはアジアでも最も早くスタートし、伝統とモダンのバランスがとても感じられるエリア」と話し、「エキサイティングで、地元の食通に加え、観光客、出張者にも魅力的を感じさせるユニークな店が多い」と評した。
アジア1位に輝いたフレンチが香港に 内装はフランス人女性の自宅をイメージ(香港経済新聞)
3つ星を獲得したのは「Caprice」、「譽瓏軒(Jade Dragon)」「L'Atelier de Joel Robuchon」「8 1/2 Otto e Mezzo-Bombana」「龍景軒(Lung King Heen)」「Robuchon au Dome」「唐閣(T’ang Court)」「The Eight」の2019年受賞5店に加え、アワビで知られる「富臨飯店(Forum)」2つ星から3つ星に昇格し、ランドマークマンダリンオリエンタルに移転した「すし志魂」も獲得するなど計10店となった。
2つ星は前年の12店から19店と7店増えた。ランドマークマンダリンオリエンタルの「Amber」、日本食「柏屋」、マンダリンオリエンタルの「Pierre」、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)にある広東料理「新同楽(Sun Tung Lok)」、リッツカールトンの「天空龍吟」のほか、フレンチにアジアの要素を加え、最近では中華の要素も学び自身の料理にも生かそうと挑戦する佐藤秀明シェフの「旅(Ta Vie)」、リッツ・カールトン香港内の「天龍軒(Ting Lung Heen)」が前年同様2つ星を維持。一方、インターコンチネンタルの「欣圖軒(Yan Toh Heen)」は1つ星に降格となった。
新しく2つ星を獲得したのが中環(Central)にある「Arbor」で、日本食材も多く使うエリック・ラティさんが手がける同店は、昨年のオープンから間もない中、獲得した1つ星初登場に続き、今年は2つ星に昇格。ほかの新規2店はマカオの店が受賞し、台湾を拠点に、世界中で注目を集めるアンドレ・チャンシェフが手掛けるウィンパレス内の「川江月(Sichuan Moon)」と広東料理のファインダイニング「永利軒(Wing Lei)」が獲得した。
1つ星は大幅に増え、昨年(44店)より17店多い61店が獲得。香港が51店、マカオが10店の割合での受賞となった。そのうち新しく選ばれた店は11店。大館にオープンし、洗練されたタイ料理を提供する「Aaharn」、ペニンシュラ内のフレンチ「Gaddi’s」、アイランド シャングリ・ラ内の「Petrus」など、すでに星があったと思わせる老舗店もラインアップ。ほかにもオープンからわずか6カ月で星獲得となった「Louise」は「2019年アジアのベストレストラン50」のトップに輝いたシンガポールの「ODETTE(オデット)」のジュリアン・ロイヤーシェフによるフレンチ・レストラン。日本人の小西充シェフが9月にグランドオープンしたコンテンポラリーフレンチ「Zest by Konishi」が早くも星を獲得した。今週破産のニュースが伝えられた湾仔の日本人にも人気がある「福臨門」は、皮肉にも星を獲得。日本料理でなくても日本食材を使う店も着実に増え、今後も香港・マカオのレストランにも引き続き注目が集まる。
「米芝蓮指南香港澳門2020」は、30のローカルストリートフード、400香港ドル以下とリーズナブルながらもクオリティーが高く、推奨できる店に与えられるビブグルマン(Bib Gourmand)72店も掲載し、各書店で販売する。