新型肺炎の影響で外出自粛が世界的に呼び掛けられている中、香港では8カ月に及んだデモに続く状況とあり、かつて活気に満ちていた飲食業界が大きな打撃を受けている。この状況に一石を投じようと、レストラン専門のコンサルタント会社などが連携し、外食産業の振興を狙うキャンペーン「#UnitedWeDine」を3月16日に立ち上げた。
キャンペーンを立ち上げたのはレストラン専門にコンサルサービス、PR、宣伝などを手掛ける「The Forks & Spoons」と、香港のベストレストランを毎年選出し授賞する「Tatler Dining Hong Kong」、マーケティング会社「On Air Collective」の3社に加え香港の飲食情報を提供する英語媒体などがメディアパートナーとして名を連ねる。
参加レストランはミシュラン星を獲得している人気高級レストランからカジュアルな店まで100店以上に及ぶ。キャンペーンの内容は「#UnitedWeDine」のプロモーションメニューをレストランが提供することで、外食を促す仕組み。例えば、リチャード・エッケバスシェフが率いるランドマーク・マンダリン・オリエンタル香港内のミシュラン2つ星フレンチレストラン「Amber」では5コースメニューにコーヒーまたは紅茶に加え、ソムリエが選んだシャンパン、白ワイン、赤ワインをそれぞれグラス1杯含み1,498香港ドルで提供する。昨年オープンしたばかりのローズウッド香港の地中海料理のレストラン「Bayfare Social」では同店のシグネチャーでもある新鮮なサーモンタルタル、ロティセリーチキンと好みのデザートを含んだ3コースメニューを348香港ドルで提供するなど参加レストランはリーズナブルな価格設定で客足の増加を狙う。
これに加え、より多くのレストランに足を運んでもらうことを目的に、参加レストランのレシートを5店鋪分、合計2,500香港ドル以上集めることで参加可能なラッキドローも実施。ペニンシュラ香港やフォーシーズンズ香港、ランドマーク・マンダリン・オリエンタル香港などの5つ星ホテルの1泊ステイや人気レストランの食事券、ネスプレッソマシンなどが抽選で当たる。
「#UnitedWeDine」プロモーションメニューの提供には各レストランによって予約方法や提供時間などの規定があり、詳しくはキャンペーンサイトで確認できる。サイトでは、外食時には衛生マナーを守ると同時に体調不良の人や海外渡航から戻ったばかりの人は外食を控えるようにと注意喚起も行っている。3月23日に香港政府が発表したレストラン、バーでのアルコール類の提供禁止については業界関係者を中心に反発の動きも見られる中、飲食店が連携し、生き残りを懸けていろいろなアイデアを出し合う。
キャンペーンの実施は4月30日まで。