無印良品を経営する良品計画(東京都豊島区)は6月22日、九龍湾(Kowloon Bay)にある大型ショッピングモール「徳福広場」(Telford Plaza)に食料品売り場を併設した大型店(Shop 401-402, 4/F., Telford Palaza 2, 33 Wai Yip Street, Kowloon, Hong Kong Tel: 3973 8380)をオープンした。
香港でのMUJIは1991年に尖沙咀(Tsim Sha Tsui)の海洋中心(Ocean Centre)に進出したが、1998年に一度撤退。2001年に100%全額出資の子会社として香港に再進出した。21店舗目となる同店はMUJI最大の2万4000平方フィートで、フルーツ、野菜などの生鮮食品を扱うエリアの開設と茶、米の専門店も併設されている点が特徴。
MUJIは雑貨のイメージが強いが、又一城(Festival Walk)店に代表されるようにカフェを併設したり、本を扱うなどしており、同店もその流れをくんでいる。商品の割合は、服飾=37%、生活雜貨=40%、食品=15%、カフェ=8%で構成する。
ファッションブランドも飲食に進出するなど、多くの業態が「ライフスタイル・ブランド」の方に舵を切っているが、理由の一つとしてEコマース対策、土地が狭い分娯楽が少ない香港にとってショッピングモールはある種のテーマパークの役割を果たし、ライフスタイル・ブランド化すると幅広い客層が入店しやすいうえ、滞留時間が長くなるメリットもある。MUJIは既にライフスタイル・ブランドとして認知されているが、今回はさらに強化し、他のライフスタイル・ブランドとのさらなる差別化を図る。
新設した「食材市集(Food Market)」ではOisixなどと共同で日本各地から仕入れた野菜やフルーツを扱う。熊本県産のプチトマト、鹿児島県産のサツマイモ、青森県産のリンゴなどを販売。ほかにも長崎県産の果汁100%の各種フルーツジュース(105香港ドル)、有明海の養殖海苔(30香港ドル)、京都九条のネギのみそ(68香港ドル)など幅広い食品、調味料なども用意した。香港人は日本の食材には多額の消費をいとわない人も少なくなく、その上MUJIはかねてよりチップス、チョコレート、スープなどさまざまな食料品を売っていることから、食品エリアは収益源の一つの柱に見据える。
「茶米工房」は、リラックス、リフレッシュを主眼に置いた多彩な茶葉を販売。「精選のお茶」は10袋入りで52香港ドル、16種類のお茶をブレンドした「調配茶」は10グラム18香港ドル(最低50グラム以上)。米も量り売りで販売。北海道の「ゆめぴりか」は200グラム16ドル(最低1キロ)、長野県産の「コシヒカリ」は200グラム13ドル(同)、「十六穀米」は300グラム58香港ドルと1キロ158香港ドルの2種類で販売する。
ほかにも「世界煮物」(38香港ドル)、餃子や焼売などの「日本点心」(38~45香港ドル)など、6つのカテゴリーの冷凍商品も販売するほか、又一城店同様にカフェも運営し、リラックスできる空間を提供する。衣料、雑貨、家具などMUJIならではの商品も扱う。
営業時間は、月曜~金曜=11時~22時、土曜・日曜・祝日=10時~22時30分。