林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官、張建宗(Matthew Cheung)政務長官、陳茂波(Paul Chan)財政長官ら香港政府トップ3ら政府高官は9月15日、新型コロナウイルスに関する合同記者会見を行った。その中で総額240億香港ドルに上る第3弾の経済対策を発表したほか、レストランは午前零時まで規制が緩和された。
16日現在、累計感染者数が4985人、死亡者は102人、回復者4663人。16日の新規感染者は9人となっている。これまで経済対策は第1弾が300億香港ドル、財政予算案で1,200億香港ドル、第2弾で1,375億香港ドルの計2,875億香港ドルが盛り込まれてきた。第3弾は240億香港ドルでこれまでより規模が縮小された。
具体的には、130億香港ドルを投じて、検査態勢の拡充、医院管理局(Hospital Authority)への財政支援を通じて次の新型ウイルスの波とインフルエンザ対策を行う。香港ディズニーランドそばの竹●湾(Penny’s Bay)に建設している新しい検疫施設と政府が指定している検疫用ホテルに対して必要な予算を計上するほか、食物環境衛生署(FEHD)の管轄下にある街市に対して非接触で支払いをするための電子デバイスの設置を補助する。
飲食、観光、航空と運輸、スポーツ、芸術&文化、ポップミュージック・コンサート、クラブハウス、映画館、教育(幼稚園、私立小中学校、補習校、スクールバス提供会社)、チャイルドケアセンター、趣味・カルチャーセンター、エステ、マッサージ、ゲームセンター、サウナ、スポーツジム、アミューズメント、公共娯楽施設、パーティールーム、ナイトクラブ、バーとパブ、カラオケ、マージャンの23業種に対して45億香港ドルを投入して経済援助を図る。
業界によってかなり細かく設定されており、例えば、一般的なレストラン、工場のキャンティーンなどであれば100平方メートルまでは5万香港ドルの補助金、200平方メートルであれば10万香港ドルの補助金など大きさによって金額が異なる。エステやマッサージ店では職員数に応じて1万5,000香港ドル、3万香港ドル、5万香港ドルの補助金が出る。旅行代理店では従業員1人当たり5,000香港ドルの補助金を支給することなどを盛り込む。
家賃の減額、手数料の免除、料金の減額などに50億香港ドルを投下する。政府が所有する不動産に入っているテナントへの家賃については75%~100%の減額を半年間行う。ライセンスなど27種類ある香港政府に支払う手数料を1年間無料にするほか、非住宅用テナントの上水道と下水道費用の75%減免措置を4カ月間延長する。2020-21年度の第3四半期と第4四半期の非住宅用テナントの不動産税(レーツ)の減免の上限を1,500香港ドルから5,000香港ドルに引き上げる。
政府は房屋委員会(Housing Authority)、機場管理局(Airport Authority)、科学園(Science Park)、数碼港(Cyberport)といった非住宅のテナントに対して家賃の減額を要請するとした。そのために10億香港ドルを計上した。ほかにも、12カ月間の従業員の給与分または最高500万香港ドル分の融資を受けられる制度を創設する。返還期限が最大で5年。
新型コロナウイルス対策については9月18日~24日の対策が明らかになった。徐々に規制が緩和されている飲食店への規制は5時~22時としていたものが2時間遅くなり、午前零時まで店内で飲食することを可能とした。零時~翌5時は従来通りに店内での飲食は禁止となる(テークアウトは可能)。テーブルの距離を1.5メートル離すこと、検温、消毒、マスク着用、テーブル1卓当たり4人、収容できる客数は総座席数の50%は従来と同じままだ。
長らく一時閉鎖措置がとられていたバー、パブ、サウナ、パーティールーム、ナイトクラブ、カラオケ、スイミングプール、娯楽場(テーマパークや展覧会場を含む)の営業の再開をついに認めた。レストランでは1卓当たり4人だが、バー、パブについては1卓当たり2人までとなる。公共の場でのマスク着用義務や最大での集まりは最大で4人は継続される。
規制緩和を受けて海洋公園(Ocean Park)が9月18日、営業を再開する。チケット事前の予約が必要で1組最大4人まで。12月31日まで香港居民はチケットが35%引きとなり、成人320香港ドルの一般チケットを買うと100香港ドルの電子キャッシュがもらえる。児童は160ドルの一般チケットの購入で50香港ドルの電子キャッシュが付く。営業時間は10~18時(週末・祝日は19時まで)。同園では人数も制限する。一方、香港ディズニーランドはまだ正式な再開の日程を明らかにしていない。
●=竹かんむりに高