現在日本をテーマにしたステーケーションを提供するホテル「Hyatt Centric Victoria Harbour(ハイアット セントリック ヴィクトリア ハーバー)」に9月29日、青森の装飾アイテムで部屋中を飾った「青森ルーム」が登場し、青森県のキャンペーンに当選した香港人女性が利用した。
日本に渡航できない香港の人に向けて青森県が取り組んだ企画で、元々、同ホテルでステーケーションプログラム「We Miss Japan」への申し込み客にはホテル併設のモールで使えるクーポン券やリンゴのスナック、青森の景品などが入ったボックスを進呈していたが、併せて県はキャンペーンを実施。賞品に、1位=青森ルームへの宿泊、2位=中秋節に合わせてリンゴとリンゴジュースのギフトセット、3位=金魚ねぶたようかんを用意した。
同ホテルは全室ビクトリアハーバーを望めるように大きな窓があるのが特徴で、スターフェリーや貨物船がゆったりと海を渡る中、青森から届いた「金魚ねぷた」が窓枠にいくつも取り付けられ、ベッドサイドにはたくさんのリンゴのランプ、風呂には県産品の「つがる」を浮かべた。ほかにもねぶた祭のバスタオルから、BUNACOのティッシュボックス、クッションは南部裂織(さきおり)の色鮮やかなカバー、りんご茶やねぶたのフェースパックまで、青森ずくめのアイテムで当選者を喜ばせた。
1位を獲得した梁慧瑩さんは、2017年に青森市のねぶた祭に参加したときの写真と一緒に以下を投稿し、青森ルームに宿泊する権利を得た。「最初に訪れたのは、2016年の春。奈良美智さんの作品『青森犬』を見たくて、初めて青森に行った。美術館の帰り道、青森駅の隣に『ワ・ラッセ』を見つけたので入ってみた。館内には、ねぶたの歴史以外、受賞したねぶたも展示。ねぶたの制作風景も見られて、今度はねぶた祭りに参加したいと決意した。2017年夏、もう一度青森に。絵のようにきれいで新緑の奥入瀬渓流に行ってから2日連続、大勢の観光客と共に通路の両側に立ち、ねぶた祭りのパレードを待っていた。暗くなったらテンションが上がってきた。大型のねぶたが音楽に合わせてゆっくり進み、時折360度回転するのはもちろん目を引くが、一生懸命踊っている跳人(はねと)と特徴的なおはやし、男女問わずの参加者、皆の笑顔から青森へのねぶた祭りへの愛を心の底から感じた。ねぶた祭りは日本で参加した祭りの中で一番印象に残る祭りだった。」
梁さんは日本の旅行なども一緒に行ったことがある叔母と一緒に青森ルームに宿泊。「これまで2回青森に行ったことがあるが、今年はコロナで行けない」と話しながらも、「青森で開催されるいろいろなねぶた祭をオンラインで知ることができ、青森の人たちが諦めずに頑張っている姿に感動した」と、またいつか青森を訪れたいという。オンライン祭りを開催したことで、青森市のねぶた祭り以外、これまで見たことのない弘前ねぷたまつり、八戸三社大祭、五所川原立佞武多祭などの祭りに関して認識を深めることができたという。