2018年に香港で生まれた人気のベーカリー「Bakehouse」が10月30日、SOHOの士丹頓街に同社2号店となる「Bakehouse by Grégoire Michaud」(G/F 5 Staunton Street, Central)をオープンした。
灣仔にある1号店には、焼きたてのパンと菓子を求め常に行列ができている。季節ごとに、商品の仕入れ状況に合わせて、常に変化する商品を提供するのが特徴。同店はカフェ併設の灣仔とは異なり、テークアウト販売のみ。朝、昼ご飯のために購入する層を考え、甘くないセイボリーのアイテムを多めにした。
材料はナチュラルなものを使い、サワードゥブレッド、デニッシュ、高級ペストリーなどを、伝統的な職人技で製造する。「フランスから直送の最高級の小麦粉、海塩、水、最高の天然素材を使ってシンプルに作る」と話すグレゴワール(Gregoire Michaud)さん。スイスのローヌ地方で育ち、食への愛を深め、15歳の時、故郷の町でパティシエと製パンの見習いを始めた。フランスの契約工場のオーガニック小麦粉、こだわりの素材を創業時から使う。グレゴワールさん率いる熟練したパン職人とパティシエのチームによって、毎日店内で早朝2時から手作りをする。生地を混ぜてから石窯で焼き上げるまで36時間かかるパンもあるという。時間をかけてゆっくりと発酵させ、水分を多く含んだパンを作ることで、独特の風味と個性を生み出している。「シンプルなものほど難しい。その精神は日本にもあるよね」とグレゴワールさんは微笑みながら話す。
パン・オ・ショコラやクロワッサンなどのビエノワズリーは朝8時ごろにはオーブンで焼き上がり、スイーツ系の甘いパンは昼前前後から提供が始まる。作りたてのスコーンやタルトも人気メニューで、焼き上がると店員が声を上げて、甘い香りが店内に広がる。SOHO店ではオーダーメードの商品も扱う。
人気アイテムはブリオッシュのほか、エッグタルト、クロワッサン、パン・オ・ショコラ、シナモンペカンロールなど。同店オープンに合わせ、10種類の新アイテムも投入した。その種類は「ちゃんと数えたことがないけど、常時30以上はあるかな」とグレゴワールさん。新商品の一つ、南仏の「トロペジエンヌ(Tropezienne)」(38香港ドル)は、バニラ入りのクリームをブリオッシュで挟んだパン。ほかにも香辛料などで煮込んだ牛肉を挟んだ「ビーフレンダンパイ(Beef Rendang Pie)」(48香港ドル)や「抹茶クリームドーナツ」(38香港ドル)など個性豊かなアイテムが並ぶ。
グレゴワールさんは25年以上のベーカリー経験を持ち、フォーシーズンズホテル香港の開業時を含め、世界中の最高級ホテルで働いてきた。フォーシーズンズで15年間勤めた後、香港に会社を設立し、同店を経営しながら手作りのサワードゥブレッド、クロワッサン、ペストリーなどを香港の一流レストランやホテルにも提供する。「香港の職人が作るパンに対する評価が高まっているのを目の当たりにしてうれしい。特にパンデミックのここ数カ月は、パンは楽しみやすく、栄養価も高いアイテムとなった」とグレゴワールさんは笑顔で話す。
営業時間は7時~19時。