香港政府は4月26日、広東省、マカオに在住する香港居民が香港に戻る場合14日間の強制隔離を免除する「回港易(Return2HK)」について、4月29日より対象を中国全土に拡大することを明らかにした。併せて広東省とマカオに住む非香港居民が香港へ入境する際に強制検疫を免除する「来港易(Come2hk)」を始める計画があることも発表した。
香港は4日現在、累計感染者数が11,791人、死亡者は210人、回復者11,451人、新規感染者は4人となっている。広東省とマカオには多くの香港人が在住しているが、彼らが香港に戻ってくる場合14日間の強制隔離が免除されていた。しかし、両地とも感染拡大を抑え込んでいることから新規感染者が香港に持ち込まれる可能性は低いと判断。中国本土に住む香港人にまで適用を拡大することにした。
その場合は一定の条件があり、過去14日以内に香港政府が指定する「ハイリスク」「ミディアムリスク」の国・地域を訪れていないことや、72時間以内に陰性証明書を提出する必要がある。陸路は、深セン湾口岸(Shenzhen Bay Port)の税関と港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)の税関を利用しなければならないが、前者は1日3000人、後者は1日2000人の入境制限が加えられる。申請はネット予約が基本で先着順。空路で香港に戻る場合も基本的に陸路と同じ申請ステップを踏むが、人数制限はない。その代わり、ほかの国際線の到着便の乗客と同様に香港国際空港到着時にPCR検査を受けなければならない。そこで陰性となれば、自宅に戻ることができる。
当該者が香港から中国本土やマカオに戻る時は、現地で14日間の強制隔離義務が解除されていないため、隔離しなければならない。ただし、マカオ政府は政府指定場所での隔離終了後に実施される7日間の自主健康管理期間を免除すると発表している。
回港易は香港居民が対象だが、香港政府は同じ26日、広東省とマカオに在住している非香港居民に対して14日間の強制隔離を免除する「来港易」という計画についても併せて発表した。今月中に詳細を発表する予定。特にマカオに関しては、香港居民がマカオに入る時に強制隔離無しにしたいと考えており、事実上の「トラベルバブル」が実現するのかどうか注目される。香港政府は、経済回復および自由な渡航を解禁するための手段として、香港、広東省、マカオの3つをできるだけ自由に往来できるようにすることを第一歩としたいという姿勢が見える。