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香港政府、日本を「高リスク国」に指定  入境基準厳しくなり、香港への渡航遠のく

香港への入境が厳しくなった日本からの渡航

香港への入境が厳しくなった日本からの渡航

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 香港政府は5月17日、海外から香港に入る場合の入境基準について、日本を「C組(Group C)」から「B組(Group B)」に変更すると発表した。5月21日から施行される。これにより従来の検疫措置に加え72時間以内の陰性証明書が必要となった。5月26日から開始予定だったシンガポールとのトラベルバブルも延期になるなど、新型コロナウイルスを巡る環境は依然として厳しい状況となっている。18日現在、累計感染者数が1万1,827人、死亡者は210人、回復者1万1,535人、新規感染者は1人だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が119万3,615人、2回目も終えた人は89万6,679人となっている。

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 香港は5月12日よりワクチンバブルの一環として世界各国・地域をリスクごとに区分け、それにワクチンの接種状況を加味して政府指定ホテルでの強制検疫を行っていた。

 日本は、変異株による感染拡大で緊急事態宣言が発出されていることなどからグループBに編入されることになった。今回グループBには、アルゼンチン、イタリア、ケニア、マレーシア、オランダ、シンガポールも加わった。グループBに該当する入境者は72時間以内のPCR検査による陰性証明書(英語または中国語)を提出する必要がある。証明書にはパスポートなどと同じ渡航者の名前、検体採取の時刻がなければならない。また、検査機関は、政府機関かISO15189の認定を受けている第三者が発行している証明書も提出しなければならない。

 香港政府指定ホテルによる隔離措置だが、既にすでに接種を終えた人は(定義は最後の接種を終えてから14日間が経過していなければならない)、飛行機のチェックイン時に14日間のホテルの予約確認書が必要。隔離期間は21日から14日間に短縮され、PCR検査は3、7、12日目の3回。隔離終了後7日間は自主健康管理期間で16日目と19日目にもPCR検査を行う。接種を終えてない人は、21日間のホテル予約の確認書が必要で、21日間の隔離を行い、3、7、12、19日目(計4回)にPCR検査を受けなければならない。

 香港政府は同日、5月26日にから始まる予定だったシンガポールとのトラベルバブルについて、実施を延期すると発表した。延期は2020年11月に続く2回目となる。

 シンガポールは新規感染者がここにきて増加し、防疫措置を強化した。香港政府もシンガポールをグループDから一気にBに引き上げ、実施が困難になったためだ。両政府は6月13日まで状況を見極め、同日までに新たな時期について発表するという。香港側のトラベルバブルを担当するキャセイパシフィック航空は、キャンセルする場合は全額返金するとし、変更する場合は手数料を免除するとした。

 延期に追い込まれたトラベルバブル、ワクチン接種が始まったばかりの日本など、これらの状況を勘案すると、日本からの香港観光の解禁は全く見えない状況となった。

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