香港を代表するインド料理店「Bombay Dreams」が8月18日、中環の雲明行(1/F, Winning Centre, 46-48 Wyndham St, Central Tel 2811 9888)に移転オープンした。
2002年のオープン以来、18年間にわたり、香港でインド料理のアイコンともなっていた同店は、ミシュランガイド・ビブグルマン(2009年)のインド料理部門に香港で初めて掲載されたレストランで、2021年まで12年連続で掲載されている。
同店はインドのマスターシェフであるイルシャード・アーメド・クレシ( Irshad Ahmed Qureshi)さんの料理を盛り込んだメニューを提供する。インド北部のウッタル・プラデーシュ州ラクナウで7代をつないできたクレシさんの家系は、「カンサマ」とも呼ばれる特別な血筋のシェフファミリーで、ムガール帝国時代からナワブや王室に仕えてきたレシピを香港でも再現する。
1996年に香港に移住した同店オーナーのサンディップ・グプタ(Sandip Gupta)さんは「私にとってここは単なるレストランではなく、夢を生きる場所であり、自分のすることに常に愛着を持つこと、限界を押し広げること、追求する場所。情熱的な個人で構成された素晴らしいチームがあってこそ実現する」と話す。過去18年間、ヘッドシェフのデヴィ・シン(Devi Singh)が指揮を執り続け、総支配人のアシュトシュ・ビシュト(Ashutosh Bisht)さんが全体を率いるチームが安定の理由だからだ。
自然光が降り注ぎ、ダークウッドで統一された店内は80人を収容できるメインダイニングと、12人を収容できるプライベートダイニングルームがある。インドの宮殿を現代風にアレンジしたダイニングルームは、ナチュラルな素材と真ちゅうやブロンズなどの素材をバランス良く配置し、劇場のような雰囲気を醸し出す。布製の壁には210個の象のチャームをアクセントにワインレッドや淡いパープルのソファ席や大理石のテーブルを配置し、ゆったりとした造りに仕上げた。特注のインド特有の窯「タンドールオーブン」2台を設置し、あらゆる料理に使う様子がオープンキッチンで見られる。
前菜のような小皿料理では、ヒヨコ豆の粉をまぶして揚げたほうれん草にポテト、タマリンドソース、ヨーグルトをトッピングした「Palak Patta Chaat」(88香港ドル)、クレシ家のトレードマークであるケバブ「Shahi Galouti Kebab」(148香港ドル)は細かくたたいたラムのひき肉にハーブとスパイスを混ぜ、じっくりと薫製にした後、フライパンでさっと焼いて仕上げた。
メインのカレー類は19種類用意した。ハイライトはマダイにスパイスをかけ、カレーリーフ、生のマンゴーで甘みを加えたグレービーソースで煮込んだフィッシュカレー「Alleppey Fish Curry」(238香港ドル)、新鮮なマトンの角切りを、ヨーグルト、スライスしたオニオン、刻んだジンジャーとガーリック、レッドチリパウダー、クローブ、グリーンカルダモン、ブラックペッパーコーン、シナモンスティックを混ぜ合わせ、じっくりと調理した「Mutton Beliram」(238香港ドル)、グリンピース、玉ネギ、トマト、ニンニクと一緒にアミガサダケをじっくり煮込んだ「Guchchi Matar」(158香港ドル)など。レンズ豆とバター使った濃厚でクリーミーな「Dal Bombay」(108香港ドル)も「日本人の好みに合いそうな一品」だという。
米と野菜を伝統的なハーブとガラムマサラで別々に調理し、壺に入れ、生地で密封して蒸し焼きにした炊き込みご飯であるビリヤニ「Nizami Tarkari Biryani」(138香港ドル)には、キュウリ、オニオン、ミント、コリアンダーで作ったヨーグルトソースを添える。
料理に合わせたカクテルは、インドのスパイスと新鮮なハーブをベースにし、スピリッツを加え、ガラスやブロンズの器で提供する。紅茶の産地として有名な北東インドに着想を得たカクテル「NH-8」(88香港ドル)は、デリーとムンバイを結ぶ国道8号線にちなんで名付け、モスコミュールに、テキーラ、カシス、フレッシュなライムに、ジンジャー・ビールを組み合わせた。ウイスキーキャビネットも設けるなど、インドウイスキーを含む48種を用意している。
前菜、カレー、その他の料理などをコースにしたセットメニュー(498香港ドル)や月曜~金曜はランチビュッフェ(188香港ドル)、週末のブランチビュッフェ(238香港ドル)なども提供する。
営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=18時~23時。