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香港・上環に香港初のブリティッシュ・チャイニーズ・レストラン「1908BC」

イギリスで親しまれるカレーも登場

イギリスで親しまれるカレーも登場

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 香港・上環にあるホテル「The Pemberton」(5F,22-26 Bonham Strand, Sheung Wan Tel 2116 4668)に8月5日、ブリティッシュチャイニーズ料理を提供する「1908BC」がオープンした。イギリスにある中華レストランで人気の料理にフォーカスした店で、香港を中心とした移民たちが作った文化を再び香港で再現しようとしたもの。テークアウトでよく見られる料理、例えば鴨の細切り、八宝菜、甘酢あんのかかったフライドチキンボールなどはイギリスで進化し、西洋人の口にも合う料理だが、実は香港では食べられないことも多く、香港では初の試みだという。

席間隔が広く、ゆったりとした店内

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 同店の名前は、イギリスに初めて中華料理店がオープンした年にちなんでいる。BCはBritish Chineseを略した。オーナーでイギリス西部の港湾都市「ブリストル」で生まれ育った香港人、スザンナ・ホーさんの家族は有名中華料理店「Dynasty」を20年以上、経営していた。しかし引退した母親が香港に戻ることを決めたことから昨年、一緒に香港に移り住んだ。スザンナさんはすぐに、香港にはこの分野の料理を提供する中華レストランがないことに気付き、自分のようにイギリスで慣れ親しんだスタイルの中華料理を懐かしむ人が楽しめる場所を作りたいと考えた。コロナで各国を自由に動けない状況が、出店への決意につながったという。

 テーブルは4人掛けを中心に配置し、紺色と白を使うなど落ち着いた雰囲気に仕上げた。他のレストランと比較してテーブル間隔が広く、これもイギリス要素を取り入れた結果だという。

 香港の中華料理との違いについて、「例えばエビトースト(蝦多士)は、よりディープフライにし、ゴマの触感も含めてより複雑な味わいになっている。サンラータン(酸辣湯)にはグリンピースを入れるなど、香港よりも酸味が強くて日本人も好きな味だと思う」とスザンナさん。食材の質に重きを置き、常に新鮮で、旬の食材を使用しMSGや香料、発色剤は一切使わない。必要な味を最大限に引き出すために可能な限り自然な方法で料理を再現する。

 イギリスで育った人に深く刻まれている料理の一つ、フィッシュ・アンド・チップスがメインのレストラン「チップショップ」のカレーも提供する。日本やインドのカレーとは異なり、ユニークなレシピで中華料理、英国料理、インド料理を融合させている。カリカリに揚げたフライドポテトにソースをたっぷりかけて食べるスタイルも。ハウス・スペシャル(230香港ドル)、エビ(250香港ドル)、鶏(180香港ドル)、野菜(160香港ドル)から選ぶことができる。

 ほかにも知られているのが「フライドチキンボール」(90香港ドル)。ジューシーな鶏の胸肉を一口サイズにして味付けした衣をつけて、黄金色に揚げ、ピリッとした甘酸っぱいソースをかけるが、サンザシの酸味とハイビスカスで作った1908BCのレッドソースを使う。

 スザンナさんの母親が作ったレシピを中心に、メニューの一部をイギリス人や現地に住んだことのある香港人に、ソーシャル・メディアを使って、母国で最も恋しいと思う中華料理を聞いてみて取り入れた。「今後このレストランが落ち着けば今後、他の西洋諸国やアメリカ、カナダ、オーストラリア、そして南アフリカの中華料理など、それぞれの地域で人気のある中華料理を採り入れたい」とも。

 ローストビーフショートリブ(390香港ドル)も「お薦め」だと言い、しょうゆとスパイスのマリネ液でじっくり煮込み、 軽くスモーキーな焦げ目をつけてからじっくりとローストすることで、「骨から落ちるような」柔らかさを実現した。スザンナさんは、母がモヤシで作ったレシピで作ったキムチを添えて、肉の脂っこさに酸味を加えた。 そして多くのイギリスの香港人家庭では、夕食にスープが欠かせなかったことから、「滋養たっぷり」の中華スープ(80香港ドル)は、香港の食卓でよく見られる家庭的なスープ。スープは日替わりで、夏は体を冷やす効果のあるトウガンのスープ、冬には 魚の浮き袋のスープなどを提供する。

 アラカルトのディナーメニューのほかに、ランチはメイン、デザートのセットメニューを210香港ドルで用意した。8月31日までの期間中、20%引で提供する。

 営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=17時~22時(金曜・土曜は23時まで)。日曜定休。

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