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香港でワクチン接種3回目、無料で接種開始 飲食B類は安心出行、必須へ

3回目の接種を11日からスタートする香港

3回目の接種を11日からスタートする香港

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 公務員事務局(Civil Service Bureau)の聶德權(Patrick Nip)局長と食物及衞生局(Food and Health Bureau)陳肇始(Sophia Chan)局長は11月3日、合同で記者会見を開き、「ブースターショット」といわれる3回目のワクチン接種について一定の条件を満たした人を対象に11月11日から無料で接種すると発表した。11月5日から予約を受け付けている。

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 香港は7日現在、累計感染者数が12,369人、死亡者は213人、回復者12,286人。7日の新規感染者は輸入症例で1人だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が4,645,489人(69%)、2回目も終えた人は4,451,436人(66.1%)となっている。

 香港では、米ファイザー/独ビオンテック社が開発・製造し、中国本土・香港・台湾における販売代理店である上海の復星医薬(Fosun Pharma)が供給する「復必泰(Comirnaty)」と北京の科興控股生物技術(Sinovac Biotech)の「克爾来福(CoronaVac)」の2つでワクチン接種が行われている。

 ファイザー社によると、コミナティは2回目の接種から半年後では入院や死亡を防ぐ有効性は90%と依然として高い効果を維持するが、感染予防については47%に低下することが分かっている。コロナバックについては食物及衞生局が作成したリポート「Report on Evaluation of Safety, Efficacy and Quality of CoronaVac COVID-19 Vaccine (Vero Cell) Inactivated」によると、接種完了2週間後の場合、18~59歳の平均有効性は50.66%、60歳以上が51.11%とコミナティより低い数字で、半年後については不明。

 香港政府は、ガン患者、臓器移植者、後期のエイズ(後天性免疫不全症候群)患者などの免疫機能が弱い人が最優先で、2回目の接種から28日以上経過していることが必須となる。12~17歳が対象となる場合は、親の同意書が必要となる。

 次に18歳以上のコミナティとコロナバックを打った人の中で、60歳以上、医療従事者、防疫対策関連従事者、税関を超える輸送業者、港湾作業などの関係者、慢性疾患などを患っている人が対象となり、2回目の接種から6カ月以上が経過していなければならない。2回の接種が完了したワクチンと3回目のワクチンが異なる「交差接種」も認める。

 予約は11月5日より専用サイトで受け付け、同11日から接種を無料で行う。一部を除いた社區疫苗接種中心(Community Vaccination Centres/CVC)では先着順だが、予約なしでもワクチン接種ができるほか、瑪麗醫院(Queen Mary Hospital)など9カ所の公立病院に通っている患者または検診など病院を利用する人であればコミナティに限って予約なしで接種可能となる。

 香港居民の中国本土往来について隔離なしをいかに早く実現するかを重視している香港政府はゼロコロナ政策を推進する中国政府の要求に応える必要があり、香港における防疫対策も厳しくする。

 まず、11月1日より立法会、図書館、郵便局、街市など政府関係機関などに入る場合は、香港政府が開発した新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性を通知するスマートフォン向けのアプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」の利用を義務付けた。

 A類からD類まで分類されている飲食店では、22時まで営業可能で、1卓4人、収容人数50%の制限が設けられているB類について、これまでは安心出行の利用または所定の用紙に必要事項を書くということが選択できていた。しかし、食物及衞生局の陳局長は「B類では一定程度、状況を把握するのは困難であり、安心出行の利用を市民に求めることを考慮している」と発言し、事実上、安心出行の利用が今後、B類で義務化される方向であることを明らかにした。

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