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非居住日本人も香港への渡航解禁へ ワクチン接種完了と隔離などを条件に入境可能に

いよいよ海外からの入境が可能になる香港

いよいよ海外からの入境が可能になる香港

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 林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官、食物及衞生局の陳肇始(Sofia Chan)局長らは8月2日、合同で記者会見を行い、「建立抗疫雙屏障」と題した新しい防疫対策の基本方針を発表した。これは水際対策、香港内での防疫対策についての方針で、これにより香港の在留資格を持っていない日本人でも、接種を完了した人であれば、8月9日より政府指定ホテルでの隔離を条件に香港への入境を認めることになった。香港に在留資格のない日本人の香港への渡航解禁は2020年3月25日に完全鎖国に踏み出して以来となる。

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 5日現在、香港の累計感染者数は11,997人、死亡者212人、回復者11971人、4日の新規感染者は輸入症例が2人だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が3,366,069人(49.5%)、2回目も終えた人は2,556,204人(37.6%)となっている。

 イギリスやシンガポール政府はコロナと共存する政策を取り始めたが、香港政府は2021年4月12日に「抗防新路向」という方針を打ち出した際、「ゼロコロナ」を目指す方針を掲げ、8月2日まで56日連続で市中感染を防いできた。今回の「建立抗疫雙屏障」は「抗防新路向」の改訂版となる。6月21日の林鄭行政長官らの記者会見では、非香港居民にも一定の条件の下、7月中に入境を開始したいとしていたが、ついに実現することになった。

 水際対策では、全ての入境者に72時間以内のPCR検査の陰性証明を義務付ける。これまでは「A1組(Group A1)」~「D組(Group D)」の5つにグループ分けしていたが、今回からは「A組指明地區(高風險)/Group A specified places (High-risk)」「B組指明地區(中風險)/Group B specified places (Medium-risk)」「C組指明地區(低風險)/Group C specified places (Low-risk)」の3段階になる。

 具体的には、A組はブラジル、インド、インドネシア、アイルランド、ネパール、パキスタン、フィリピン、ロシア、南アフリカ、イギリスが属する。ワクチン接種が終わっていない人は、指定国に2時間以上滞在しないことを証明しなければならない。そのほかの条件は接種を完了した人と共通で、72時間以内のPCR検査が陰性で、21日間の政府指定ホテルでの強制隔離についての予約確認書をチェックイン時に提示。ホテルでの21日間の強制隔離期間中、3、7、12、19日目(計4回)にPCR検査を受け、その後、7日間の自主健康管理期間で26日目にもPCR検査を受けなければならない。

 「B組」はA組とC組に属さない国や地域で、日本はこの組に振り分けられた。香港居民でワクチン接種が終わっていない人は72時間前のPCR検査の陰性証明と21日間のホテル予約確認書、隔離中は4回のPCR検査。接種が完了した香港居民と非香港居民(いわゆる観光客やビジネス客)は72時間前のPCR検査と14日間のホテル予約の確認書、接種完了記録の提示をしなければならない。隔離中、PCR検査は3、7、12日目の3回。隔離終了後7日間は自主健康管理期間で16日目と19日目にもPCR検査を行う。

 さらに接種を完了し、かつ香港政府が指定した検査機関で抗体検査が陽性(抗体検査においては陰性ではなく陽性反応が必要)を示した人には、72時間前のPCR検査、7日間のホテル予約確認書、接種完了記録の提示、検査機関が発行した3カ月以内の陽性証明が必要だ。1週間の隔離期間中、3、5日目の2回のPCR検査となる。隔離終了後の14日間は自主健康管理期間で9、12、16、19日目にPCR検査を行う。

 「C組」はオーストラリアとニュージーランドでB組同様に非香港居民でも入境が可能となる。接種を終えていない人は72時間前のPCR検査の陰性証明、14日間のホテル予約確認書が必要。強制隔離は14日間でPCR検査は3回。その後、7日間の自主健康管理期間で16日目と19日目にもPCR検査を行う。ワクチン接種完了者は、72時間前の陰性証明、7日間のホテル予約確認書、接種完了記録が必要。強制隔離期間は1週間のうち3、5日目の2回のPCR検査となる。隔離終了後の7日間は自主健康管理期間で12日目にPCR検査を行う。

 抗体証明は現在、香港政府指定の香港市内にある医療機関が対応しているが、今後は香港国際空港で抗体検査を実施する場合は採血による抗体検査も検討しており、8月中に詳細を発表する見通しだ。

 水際対策以外では、全ての公務員、医院管理局職員、幼稚園、小中学校・特殊学校の職員などにワクチン接種が必須となり、その後、自己負担で定期的に検査を受けなければならなくなった。

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