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湾仔のイミグレ含む香港政府ビル4棟を52階建てのビルに改修へ ホテルや展示場も

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 香港政府は、入境處大樓(Immigration Tower)など湾仔(Wan Chai)にある政府系のビル4棟を取り壊し、52階建て、最低でも高さ278メートルの高層ビルを建設する計画を進める見込みだ。新しいビルの中には香港コンベンション&エキシビジョンセンター(HKCEC)のさらなる拡張分やホテルなども入居することなどが考えられている。

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 建て替える場所は、政府機関や裁判所が入っている灣仔政府大樓(Wanchai Tower)、「イミグレ」こと入境處大樓、税務大樓(Revenue Tower)の3棟の高層ビルに加え、その北側にある港灣消防局(Kong Wan Fire Station)を含むミニ官庁街となっている場所。場所柄、地価が高く1平方フィートあたり約2万香港ドルするといわれている一等地になる。

 この4棟のビルのそばにある「HKCEC」は、第1期が1989年、第2期が1997年に完成した。アジアにおけるMICEの中心地である香港はそれでも会場が足りず、香港国際空港に亞洲國際博覽館(Asia World-Expo)を2005年に完成させたほか、第1期と第2期の間を中庭に当たる部分を拡張し、2009年から現在の形で稼働している。第3期の動きは2003年からあったが2012年には拡張した部分もすでに飽和状態になり、さらなる拡張や第3期の建設が喫緊の課題になりつつあった。

 同エリアの再開発は2017年、林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官の「施政報告」に盛り込まれ、政策として本格的に推進していくことになった。4施設の敷地面積は計16万6239平方フィートで、建ぺい率の関係でこの敷地には15倍の249万4000平方フィートの建物を造ることができる。最高で52フロア分の高さのビルで、そのうち10フロア分、92万6000平方フィート分が新たな展示場となり、27フロア分、97万平方フィート分が高級オフィススペースとして活用される。500室、ビルの上層部の15フロア分には57万平方フィートのホテルの建設も予定されている。地下は5フロア分で880台の地下駐車場、貨物用のエリアが89台分、人が乗り降りする場所を33台分確保する。

 現在、HKCECの東側で地下鉄沙中線(Central-Shatin Link)の会展站(Exhibition Centre Station)の建設が進められており、HKCEC第2期の場所から駅までをつなぐ歩道橋も設ける予定だ。

 消防署は現地点より西側にある分域碼頭街(Fenwick Pier Street)と龍合街(Lung Hop Street)の交差点の部分に移設する予定。現在の消防署は手狭で5台分の停車場があるが満足に救急車が止められない状況だ。早ければ来年に着工となる見込みで、異動予定地は4万5000平方フィートありスペースに余裕を持った消防署に生まれ変わることが可能になる。

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