灣仔の灣仔の駱克道にあり、開業1周年を迎えた高級ラグジュアリーホテル「The Hari」(330 Lockhart Road, Wan Chai, Hong Kong TEL 2129 0388)が現在、ホテル内のジャパニーズレストラン「Zoku(族)」」で沖縄食材を使ったメニューを提供している。「和食」をうたいながらも、伝統的なスタイルではなく、香港ならではの欧米、南米の香りを感じさせるコンテンポラリーなメニューを提供する同店。
今回は、ペルー出身の料理長エドウィン・グズマン・ナヴァロ(Ediwn Guzman Navarro)料理長が、ゴーヤー、海ブドウ、カボチャ、パイナップル、黒糖など沖縄の食材を使ってコースメニュー(888香港ドル)を生み出した。6皿から成るコースは金曜~日曜の3日間のみの提供とし、それぞれのメニューに沖縄の泡盛やジンなどのアルコールを合わせたペアリング(288香港ドル)を追加することもできる。
前菜には、3つのアイテムを並べた。クリームで煮たムール貝にはアクセントに海ブドウをのせ、ゴーヤーの天ぷらにはイクラを、揚げたスナック感覚のすし米には漬けマグロに卵黄をのせるなど、食感と色合いのバランスを考えたアイテムを木箱に収めた。「1皿目ということもあり、泡盛とソーダで爽やかさを出すドリンクをあわせることにした」という。
2皿目はペルーの名物料理でもある魚介マリネ「シークヮーサースパイシーセヴィーチェ」で、モズク酢をベースとしたところに白身魚やミニトマトを一緒に並べた。これにはカクテルにも相性の良い泡盛「夢航海」を使う。この泡盛は、「青りんごのようなフルーティーな香り」を目指した商品だといい、ボトルのラベルには、琉球王朝時代の進貢船が描かれている。これは琉球王国が、東アジアの貿易交流拠点として栄えた時代に航海し、世界との懸け橋を担った船。「先人たちが夢を持って世界を航海していたように、現代に生きる人たちもこの泡盛を飲みながら夢を語り合ってほしい」という願いを込めて生産された泡盛。この黄緑がかったカクテルには、泡盛に加え、沖縄県産シークヮーサー果汁、ゴーヤーなども使う。
続くメニューはタコと沖縄の島豆腐、ビーツの漬物を組み合わせた。ペルーの辛くない唐辛子「パンカ」を使ったみそのソース、シソを刻んだチミチュリソースで味付けた。エドウィンシェフは「日本にいたこともあるので、日本の豆腐は知っていたが、この沖縄の豆腐は特徴的で使いやすかった」と話す。
「沖縄そば」として提供するメニューは、イカ墨を練りこんだ沖縄そばにエビのソースを組み合わせ、黄身を添える。サーブした後にアクセントとしてお好みでチリオイルをかける。このメニューには「Nuchigusui」と名付けたカクテルを提供。これは沖縄の言葉で、ぬちは「命」、ぐすいは「薬」を意味することから、「自然や人が豊かに溶け込む沖縄の精神」をカクテルに込めたという。泡盛「残波」をベースに、ジンやシークヮーサー、黒糖などを使う。
メインの締めくくりは「KAKUNI」。こう呼ぶものの、煮込んだポークベリーと沖縄カボチャのソースを1枚の平たいプレートに描くように並べた。黒糖入りの泡盛梅酒「梅見月」とジンを組み合わせた一杯だ。
デザートには「パイナップルタルト」を用意した。バニラクリームやオレンジソースを使うタルトには、ココナツアイスやキャラメルをちりばめ完成させた。デザートカクテルには、パイナップルジュースやパイナップルワイン、粉ミルクやライムジュースで仕上げたが、クランベリージュースも使うことで黄色ではなくピンク色となり、リキュールグラスで提供する。
月曜~木曜はそれぞれのメニューをアラカルト(118香港ドル~248香港ドル)で「OKINAWA SNACKS」として提供する。
沖縄特別メニューは2月28日まで。現在は新型コロナ肺炎措置に準じて営業。