香港政府は4月22日、観光客やビジネスマンなどの非香港居民の入境を5月1日から認めると発表した。ただし、香港居民に対して現在実施している政府指定ホテルでの1週間の強制隔離などは継続する。併せて、特定の国や地域からのフライトを禁止する措置のほか、特定の同じ出発地から香港に到着する便を一定期間禁止する「熔断機制」についても緩和することを決めた。
香港は24日現在、検査による陽性反応を示した人は120万1860人、最終確定した累計感染者は32万9147人、死亡者は9249人となっている。新規感染者は429人、うち19人は海外からの輸入症例だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が626万975人(93%)、2回目も終えた人は587万2702人(87.2%)となっている。3回目の接種回数は313万5373回だ。
事実上、ウィズコロナにシフトした香港政府。その後、中国本土でも上海における新型コロナウイルスの感染拡大などによりゼロコロナ政策を継続する意味があまりなくなっていた。
過去14日間、海外に滞在している非香港居民は、ワクチンの接種を終えていること、渡航前48時間前のPCR検査で陰性であること、政府指定ホテルでの1週間の強制隔離、隔離期間中のPCR検査の実施など、香港居民が入境する際に現在行っている防疫措置と同じことをしなければならない。加えて、香港国際空港(HKIA)到着後、PCR検査が行われるが、結果が判明するまでの待機時間に抗原検査も行うことになった。
香港政府は、隔離用の政府指定ホテルについてコロナ陽性者用やドメスティックヘルパー向けの隔離施設として使われていた香港沙田萬怡酒店(Courtyard by Marriott Hong Kong Sha Tin)、富薈馬頭圍酒店(iclub Ma Tau Wai Hotel)、奧斯酒店(O’Hotel)、華逸酒店(Rambler Garden Hotel)の4つのホテル、約1600室を5月1日より来港者用に変更する。
特定の国や地域からのフライトを禁止する措置のほか、特定の同じ出発地から香港に到着する便を一定期間禁止する「熔断機制」について4月1日から、改訂したルールで運用していたが、5月1日より、さらに緩和する。
香港に到着する便について、運航停止となる条件は、同じ航空機に搭乗していた乗客がHKIA到着時に行われるPCR検査で5人以上の陽性者が出るなどのケースのほか、全乗客の5%が陽性であると判明すること、またはHKIA到着後のPCR検査で3人以上の陽性者に加え1人以上が第599H章で指定された条件を満たしていなかった場合となっている。運航停止期間は7日から5日に短縮する。
香港のウィズコロナは、ワクチン接種を基本とした政策「疫苗通行証(Vaccine pass=ワクチンパス」を採用しており、各施設の入場や利用は年齢と接種回数は規定された時期によって変わってくるが、4月30日からは第2弾に突入する。18歳以上は2回の接種を終えていない場合、レストランなどに入ることができない。日本から香港への渡航を考える人はワクチン接種が事実上、必須になる。
香港に渡航する際いくつかの制約はあるものの、仮に3回接種をしていれば、日本に帰国した時の隔離も免除されるため、トータルの隔離期間は1週間で済む。長期の有給休暇の取得が容易でない面もあるが、往復した場合、最大で35日の隔離期間があったことを考えれば大きな変化となる。オミクロン株がこのまま落ち着いていけば、さらなる緩和も期待できる。