香港で事務用品・文具を販売するコクヨ香港が現在、ポップアップショップを牛頭角のイベントスペース「廿一由八工作坊」(11 Floor, Pang Kwong Building, 59 Hung To Road, Kwun Tong, Kowloon, Hong Kong)で開催している。
今回のイベントは、日本の文具好きの香港人に向け広々とした空間で日本の文具に触れて楽しんでもらう機会を作ろうと企画したもの。会場周辺は古くから工場が並ぶエリアであったことから、同社商品のコンセプトに合わせて設定した。体験型のワークショップコーナーを設けるほか、オリジナル商品250点を展開する。
以前は香港ブックフェアなどの大型イベントに出店してきた同社だが、2020年は出展していたものの開催されず、その際に企画していたユニホームや内容を、同社の色をより前面に打ち出せるスペースで展開する。同社香港支店長の細見雄希さんは「通常は文房具店やスーパーなどの販売店の中で商品を展開するため、パステルカラーのシリーズなど色合いを見せることも目的とした商品、例えばノートとペンをバラバラで販売してしまったりすることも多いため、自分たちの方から発信できる機会は大変貴重」とは話す。
今回のメインに据えた同社商品「Bobbin(ボビン)」は、既存のマスキングテープを「もっと楽しく」するために開発したマステと周辺ツールのシリーズ。糸巻きのボビンをイメージした小さなマステ「ボビンテープ」のほか、手持ちのマステを巻き替えてオリジナルのボビンテープを作れる「コマキキ」と「ボビン芯」、シーンによって使い分けられる2種類のテープカッターなどを販売している。
同商品を販売するコーナーでは、来場者が家で眠っている中古マステ5個以上を持参するとボビンの芯6個を進呈。会場内に用意した120種類を超えるマステの中から好きなマステを選び交換できる仕組みを導入した。机に設置した共用コマキキを使って巻き付けるが、「巻く音がストレス発散にもなる」と話す香港人もいるという。手ぶらで来店した場合でも、ボビンの芯(6個、33香港ドル)を購入してもらうことで、同イベントに参加できるようにした。感染症対策としてすべての持ち込みマステなども紫外線消毒を施す。
ほかにも、同社のロングセラー商品「測量野帳」に、穴を開けてハトメでバンド加工を体験することができるコーナーも設けた。同商品は1959年、測量士のために発売したミニノートで、作業着のポケットに入るスリムでコンパクトなサイズと、屋外で立ったまま筆記できる硬い表紙が特長。現在ではさまざまなカラーの表紙を展開する。加えてレーザー加工ができるコーナーがあり、購入者は無料で希望の書体や大きさ、位置を選んで、野帳にオリジナルの名入れをしてもらうこともできる。
さまざまなアイテムを並べた中でも、スライド式のキャップがないペン型はさみ「サクサポシェ」(65香港ドル)に興味を持つ人も多く、「旅行をするときに服のタグを切るなど、はさみが必要になることがあるが、これだとスーツケースの中にも入れやすい」と香港ならではの感想を話す購入者の姿もあった。ほかにも在宅用のオフィス用品などをまとめることができる収納アイテムのほか、動物のイラストを表紙にあしらったミニ一筆箋(15香港ドル)なども展開する。
営業時間は12時~20時。6月19日まで。