香港で旅行業を展開するJALサテライトトラベルは6月1日、尖沙咀のフェリーターミナル近くにある台湾最大手の書店「誠品書店」(Level 2 & 3, Star House, 3 Salisbury Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon TEL 3419-1088)内にポップアップショップ「日航天地選物店」をオープンした。
同社は2020年のコロナ禍以降、新たにライセンスを取得し物販事業に参入した。これまではオンラインと同社のオフィスでの販売が中心だったが、誠品側からのアプローチもあり、期間限定のリアルショップに挑戦している。
JALは2021年に創業70周年を迎えたが、その記念グッズの中から、サーモマグ・グリップタンブラーフリート(420香港ドル)を販売する。ほかにも、タオルや弁当箱、エコバック、タグをはじめ、ペンやメモ帳などのステーショナリーなど、JALグッズを並べる。子ども向けのおもちゃも多く用意し、飛行機に興味を持ち始めた子ども向けの「木製空港で働く乗り物セット」(300香港ドル)やランプバス、パッセンジャーステップ、ボーイング777、トーイングタグ、コンテナトレーラー、ハイリフトトラクターの6点がセットになった「ダイキャストエアポートセット」(270香港ドル)なども扱う。
日本航空の国際線ビジネスクラスやラウンジで提供する芋焼酎「鶴空」もコーナーを設けて力を入れて販売する。この焼酎は、JAL Agriportの農園でJALグループの社員約600人と地域の人で収穫した紅はるかや紅あずまなどの芋を福岡県八女市の蔵元で特別に蒸留したもの。
そのほか、多くの売り場面積を占めるのが青森関連商品。同社のオンライン販売ではこれまでも青森関連商品を多く扱ってきた。JALサテライトの藤田亘宏社長は「2020年にJAL香港が青森県と協力し香港内の旅行会社が県を訪れる企画があり、その後、送客することを考えていたが、コロナ禍が拡大しそれがかなわなくなってしまったという背景がある」と話す。「青森県に対して何か恩返しをしたいと思ったのがこの物産販売をスタートしたきっかけ」とも。
売れ筋は、JALが国際線・国内線のファーストクラスの機内食にも採用しているリンゴ果汁の中に、青森県産のふじの果肉を入れた二階堂(青森市)のゼリー商品「あおもり林檎ジュエリー」(1個=45香港ドル、6個入り=260香港ドル)、ラグノオ(弘前市)の「りんごスティック」、田子町産ニンニクを使ったえびせん「にんにくせんべい」(60香港ドル)など。ほかにも津軽びいどろの皿やりんごカレーなども並べた。
併せて、コロナ禍の間にスタートした青森県の木村果樹園と一緒に取り組んできた「りんごの木のオーナー制度」を紹介。香港の人たちに青森のリンゴ作りの過程を知ってもらい、空き時間に果樹園で農業体験や果物狩りを楽しんでもらいたいと考え始めたもの。30人弱の香港人を顧客として、1本、半分、4分の一本のリンゴの木のオーナーになってもらい、青森の木のオーナーとして名札を付けた毎月のニュースレターを送信するなど季節のトピックスを届けてきた。収穫期には1本オーナーの場合、段ボールに約170個程度を入れ直接届けた。これに対してアンケートでは全員が「期待通り」「期待以上」と答えるなど手応えを感じていた様子で、「旅行が再開すれば、この秋には自分の名札が付いた木を自分の目で見たい香港人が青森へ飛び立つ可能性は十分に考えられる」と藤田社長は期待を込める。
営業時間は10時~22時。8月31日まで。