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西貢でアートフェス「西貢海藝術節」 離島を繋ぎ、3年に渡って開催へ

自然景観を生かし、橋の真ん中に設置された作品

自然景観を生かし、橋の真ん中に設置された作品

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 香港人気の郊外、西貢(サイクン)の離島で現在、アートフェスティバル「西貢海藝術節」が開催されている。主催は由香港旅遊事務署で、香港ジオパーク(香港地質公園)が支援、One Bite Design Studioがキュレーションする3年間のアートプロジェクト。アートを通じ、西貢海の豊かな自然資源、長く深い歴史と文化に触れる機会を提供するもの。今年のテーマは「再島嶼 Joy Again, Isle」。

アーティストと島民が一緒になって作品を作ったり、ワークショップなども開催

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 同エリアは300年以上前に初期の客家移民たちが定住した。例えばシャープアイランド(橋咀洲)は20年前に様変わりし、ユネスコに登録されてからは島の各地で念入りな保全作業が始まり、人々の習慣や伝承、民俗が蘇っている。香港でも日帰り旅行に最適の場所としても人気がある。

 西貢の中心エリアから西貢海には、カイト(街渡)と呼ばれる船で15分ほどで行ける離島がいくつもある。香港で唯一残る塩田があることで知られるイムティンツァイ(鹽田梓)を中心に香港ユネスコ世界ジオパークのジオサイトの一つで、 干潮時にのみ姿を現す天然のトンボロ(陸繋砂州)や、ユニークなパイナップルパン岩が特徴のシャープアイランド(橋咀洲)、カウサイチャウ(●西洲)、約1憶年前以上の火山噴火によってできたといわれる六角形の柱状節理で知られるハイアイランド(糧船湾)までを会場とし、アイランドホッピングでアートツアーを3年かけて提供していく。

 初年度である今回は、イムティンツァイ(鹽田梓)とシャープアイランド(橋咀洲)での展開をスタートし、2年目(2023年)には、カウサイチャウ(●西洲)とハイアイランド(糧船湾)まで延長する予定。最終年度の2024年には交流と出会いに焦点を当て、来場者に再会の喜びをもたらすことを目指ししているという。

 今回は9組の地元アーティストを招待し、制作過程で村人たちを巻き込み、地元の生活ストーリーを反映した作品を制作した。鹽田梓に6点、橋咀洲に3点が異なる景観スポットに設置されている。

 香港の初期にカトリックの主要な布教地であったことを象徴する聖ヨセフ礼拝堂は2011年、2級歴史建造物に指定されたが、アーティスト、マーガレット・チュー(朱卓慧)さんは「鳩」をテーマに、小舟を組み合わせたアートインスタレーションをデザインした。桟橋近くに設置されたこの作品には、「村人たちが無事に故郷に帰れるよう、神の祝福がありますように」という意味を込めたという。

 環境アーティストのモンティ・ライ(黎慧儀)さんは、客家人の女性が語った生活の記憶を体験してもらおうと、歴史の一部をキュレーションした作品「Taste of Memory」を制作。建築家のアンソニー・コー(高浚明)さんは、玉帯橋の自然景観を生かし、橋の真ん中に不連続な鏡の帯で地球儀を作り出した。光と水の屈折効果で 村人3世代が橋を架けるまでの道のりを表現した。

 絵本作家でイラストレーターの猫珊さんが陶芸スタジオとコラボレーションし、巨大なパイナップルパンツアー「大菠蘿遊」を制作し、橋咀洲のトレイル沿いに10個のカラフルな陶芸作品を設置した。同島のパイナップルパン岩と香港の伝統的な食べ物であるパイナップルパン「菠蘿包」に島の地形や動植物も取り入れたものを表現した。景観に合わせてシャープ島独自のパイナップルパン物語マップも制作したという。

 ほかにも、自然の風景を通して人間と時間の微妙な関係を解釈することを目的とした「Tombolo」や、幾何学的なコンクリの金属彫刻「Ocean Says」、揚水機として使われた「竜骨車」を現代的な美学と機械的なデザインで再び塩田に復活させた作品「流水龍骨」もある。

 キュレーターチームは、社会的企業「街坊帶路」と提携して、計284 ガイド付きツアーを提供する。ツアーに加え、年齢を問わず楽しめる13種類の無料プログラムも用意した。音楽、カヤック、塩づくり、島一周写真撮影ワークショップをはじめ、参加者が主催するワークショップや参加アーティストが主催するワークショップやトークなどを企画している。

 2023年1月15日まで。

 ●=さんずいに、ワかんむり、下に八、エ、ロ。

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