このところ飲食店が増えてきた茘枝角の工業ビルエリアに11月上旬にオープンした多国籍料理店「Enjoy Chef」(Rm704, 7/F, Elite Industrial Centre, 833 Cheung Sha Wan Rd, Lai Chi Kok)が現在、ランチタイムになると行列ができるほど人気を呼んでいる。
席数は40席。料理を楽しみながらガラスごしに料理するシェフを見ることができる店内
道行く道に工業ビルが立ち並び、日本人が思い描く香港とは全く異なる風景が見られる同エリア。これまでは大手大衆飲食店やファミリーレストランしかなかった状況に変化が見られ、レストランが相次いでオープンしている。
同店で料理を振る舞うのは、料理の道に入って28年のキャリアを持ち、リーガーデンやコンベンションセンター、スワイヤーグループのホテルなどで修業を重ねたベテランシェフ、洪永成さん。「友達をおもてなしするように料理を作りたい」という思いから起業し、料理を楽しんでもらおうという意味を込めて店名を「Enjoy Chef」にしたという。作り手が料理に専念できるよう、料理はセットメニューになり、メーンディッシュを週替わりで提供する点も特徴だ。
アぺタイザーの「Grilled Hokkaido Scallop with Beet Root Foam」は洪さん自慢の一品。皿の周りに盛り付けたフレークは、オレンジやチーズ、赤ピーマンなど、さまざまな食材を乾燥させてからオーブンで焼いた手間暇掛けたサラダで、赤・緑・黄などの色鮮やかなコントラストで食欲をそそる。スペイン産の塩で味付けし、軽くフライパンで焼いた北海道のホタテの上にかかっているのはビーツをフォーム状にしたもので、ホタテのうま味を一層引き立たせるという。
メーンディッシュで提供する「Baked French Style California Sea Bass」は、その名通りフランススタイルに仕上げた料理。白ワインやレモンジュースで味付けしたスズキをマッシュポテトの上にのせ、さらに赤ピーマンやナスなど野菜を加え、アルミホイルで包みオープンで15分ほど焼く。スズキの味がマッシュポテトにまで染み込んでいると好評だ。「フランスマルセイユ地方は海に恵まれているので海産物が多いため、ごく普通な家庭料理」と洪さん。
営業時間は11時30分~22時。日曜定休。