ロイヤル・カリビアン・グループ傘下のシルバーシー・クルーズ社が運営する国際クルーズ「シルバースピリット」が1月18日朝、香港に接岸し、尖沙咀のオーシャンターミナルで歓迎式典が開かれた。香港への寄港は3年ぶりのことで、香港のクルーズ観光が新たなスタートを切った。
1月5日にシンガポールを出港したアジアを周遊する同船は320人の乗客を乗せ、サムイ島、レムチャバン、ホーチミンなど各地を経て早朝に香港の港に入り、鯉魚門経由でビクトリア ハーバーに接岸し、尖沙咀のオーシャンターミナルに停泊。海上では消防艇による放水が行われ、ターミナルでは乗客に獅子舞を披露し福袋などを提供した。
香港政府観光局(HKTB)会長の彭耀佳(Pang Yiu-kai)博士は、香港への国際クルーズの復活を「香港の観光復興におけるマイルストーン」と表現。「香港のクルーズ観光の再開と国際クルーズへの復帰を記念して、シルバー・スピリット号とその乗客を香港に迎えることができてうれしい」と話し、「香港のクルーズ観光開発の再開と国際的なクルーズ観光市場への復帰を意味するだけでなく、香港のクルーズ観光産業が幅広い観光商品を開発することを可能にする」と意気込む。
香港は今年、世界的に有名なクルーズブランド「シルバーシー・クルーズ」「TUIクルージズ」「アザマラ・クラブ・クルーズ」「ハパグロイド・クルーズ」「ウインドスタークルーズ 」など少なくとも82隻の寄港を確保している。
このうち、ドイツのTUIクルージズ社が運航する豪華客船「メインシフ 5」(9万8785総トン)は、3月上旬にカイタック・クルーズ・ターミナルへの停泊を予定し、香港に4回の寄港を計画し、5000人以上の旅行者が香港を訪れることが期待されている。
香港政府観光局は、5つの戦略的な取り組みによりクルーズ観光の復活を推進する。クルーズ会社に対する支援とインセンティブを強化し、クルーズツアーの集客を強化。緊密な連絡を取り合い、香港の最新状況を常に把握できるようにする。香港を母港または寄港地として選択するよう、各クルーズ会社に積極的に働きかけるという。
旅行代理店、近隣の港、その他の業界パートナーとともに、香港をクルーズ観光の地域ゲートウェーとしてアピールし、広東・香港・マカオのグレーターベイエリア(GBA)からの旅行者に香港のクルーズ体験を促し、地域の他の港と連携してGBA周辺のクルーズ旅程を計画したいという。併せて、「Seatrade Cruise Global」を始めとした世界各地で開催される主要な国際クルーズショーに参加し、香港のクルーズ事業をさらに強化する。
香港起点のショートクルーズも3月10日に復活する。シンガポールの「リゾート・ワールド・クルーズ」社はコロナ禍で事業清算したゲンティン香港の創業者が設立に関わっているとも言われるが、同社は「ゲンティン・ドリーム」をチャーターしてシンガポールやマレーシア発着の遊覧クルーズを運航してきたプログラムの経験を生かし、香港で「エクスプローラー・ドリーム」を使用して再開する。毎週金曜・日曜・水曜発の2泊・3泊のハイシー・クルーズを提供する予定で、2月1日以降、予約を受け付ける。2022年1月~4月のゲンティン・ドリーム号の香港クルーズキャンセルの影響を受けた人にも、無料クルーズを提供する予定。2023年12月20日までに出航するリゾートワールド・ワンでのクルーズ(同じキャビンカテゴリー、クルーズ日程、期間)を適用する。