香港政府は2月3日、新型コロナウイルス対策についてさらなる方針を発表した。海外と台湾から香港への渡航においては、従来はワクチン接種を求めていたが2月6日に撤廃することになった。新型コロナによる約3年にわたる渡航制限は、ワクチン接種規定が廃止されたことによりコロナ禍前の状況にほぼ戻ったことを意味する。ビジネスパーソンや観光客が気軽に渡航できるようになり、香港経済に対して好影響を与えることになる。
香港での感染者数については、報告基準の変更に伴い、1月30日以降、PCR検査で陽性となった検体数および死亡例数をモニターしていている。1月29日までの合計は、2,876,106例(PCR検査+抗原検査)、13,333人の死亡が記録されている。ワクチン接種者については、1回目が6,913,032人(94.6%)、2回目を終えた人は6,794,367人(93.1%)、3回目も終えた人は5,834,606人(83.7%)、4回目が1,052,325回となっている。
香港政府による新型コロナウイルスに対する防疫対策は、2022年9月に入りゼロコロナからウィズコロナに一気にシフトした。香港内の防疫対策では、屋外や公共交通機関などでのマスク着用義務を除きほぼ緩和されているほか、ワクチンの接種回数に基づく各種施設への入場制限もなくなった。
一方、海外から香港への渡航に関しては、香港居民、ビジネスパーソン、観光客に対してワクチン接種が終えていることを求めていたが、2月6日に撤廃することを決めた。ただし、海外および台湾から香港に入境する者は、出発24時間前のPCR検査または抗原検査の陰性結果を取得する必要がある。
中国と香港の往来についてはより緩和され、出発24時間以内のPCR検査および抗原検査も求められない。それに加え、これまで往来する人の1日当たりの人数を制限していたが、それも廃止する。
事実上の全面緩和により、まだ開放されていなかった羅湖(Lo Wu)、香蓮圍(Heung Yuen Wai)、落馬洲(Lok Ma Chau)、沙頭角(Sha Tau Kok)の出入境所も2月6日に再開する。
香港とマカオの往来についても、隔離措置は昨年12月23日に既に廃止されていたが、より緩和する。これまで7日間以内にマカオのみに滞在していた者が香港に戻る際は48時間以内の抗原検査の陰性結果について写真の提示が必要だったが、2月6日以降は不要となる。
一連の措置により人の移動が活発になることが見込まれることから、中国本土とマカオを結ぶフェリーやシャトルバス、MTRなどの公共交通機関の営業時間や本数、入境ポイントの運営時間もコロナ禍前の状況にほぼ戻る。