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香港にコンテンポラリーフレンチ「feuille」 植物で作るコースメニュー提供

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 フランス現地でミシュランの星をもつフランス人シェフ、ダヴィッド・トゥタン(David Toutain)さんの海外初進出となるレストラン「feuille」(5/F, The Wellington, 198 Wellington Street, Central, Hong Kong)が5月10日、香港・中環にオープンした。

メインダイニングの様子

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 店名はフランス語で「葉」を意味する言葉「フィーユ」から。エグゼクティブシェフのヨーリス・ルソー(Joris Rousseau)シェフが腕を振るう香港の最新ダイニングとして、植物を使ったメニューを中心に提供する。「地元で採れた食材の可能性を追求し、穀物、種子、果物、野菜の風味と食感を高めるためにタンパク質を組み合わせたメニューを考案した」という。

 トゥタンさんの料理哲学は、山の植物やハーブを専門に使うことで知られるマルク・ヴェイラシェフの下で働いたことが背景にある。自然からインスピレーションを受け、意外な食材を使いながら技を使って工夫し、見た目も意識した料理を完成させてきた。タマネギやサツマイモなど、持続的に栽培された地元の食材を調達し、食材の80%以上を地元産のものを使うことで、香港の農家を支援することにも注力する。併せて、「廃棄物ゼロの調理法」を提唱し、葉、皮、根などあらゆる部分を使う。

 ミニマルな空間に仕上げた店内はコンクリート打ちっぱなしの壁にと木製のアクセント、滑らかな曲線と柔らかい照明の暖色系の色調を差し色に使う。「洞窟のような居心地と自然の質感」を大切にしたという。メインダイニングの隣には、6人がけのプライベートダイニングルームも用意した。

 厨房を取り仕切るヨーリス・ルソー(Joris Rousseau)シェフは、ミシュラン3つ星を獲得したヤニック・アレーノ(Yannick Alleno)の下でスーシェフとして働きながら、料理スタイルを確立。同店オープンに向けては、トゥタンさんと5カ月にわたって相談しながらメニューを作り上げたという。ヨーリスシェフは「肉や魚の切り身と同じように、果物や野菜は同じかそれ以上に扱われるべき。このコンセプトでデビッドと一緒に仕事ができたことはとてもうれしい」と話す。

 コースメニューは2種類用意。「Menu Vegetal(ベジタリアル・メニュー)」は1,350香港ドルと1,580香港ドルで、最初の「Grains & Seeds(穀物・種子)」として提供するポテトとアマニ(亜麻仁)のタルトレットは、桑の実と日本では七草の一つとして知られるハコベラ「ステラリア」の花をトッピングしたり、クリーミーエッグにトウモロコシのエスプーマとクミンを載せた前菜には「ムイエット」と呼ばれる細長いパンを添えたりして提供する。

 メニューの第2部「Leaves, Stems & Roots(葉、茎、根)」と名付けた章では、メインディッシュを提供。その一つ「ビーツ-レッドミート-ハイビスカス」は、ビーツでニョッキを作り、ビーツのミルフィーユとビーツのコンソメを添える。同店の廃棄物ゼロのアプローチと地元食材へのこだわりを示すもう一つの例がパン。ターボット(イシビラメ)の魚の骨をゼラチン状のコラーゲンにし、塩漬けソース「ピルピル」に仕上げる。これをシグネチャーパンに使い「ディルピルピル」と呼ぶ。

 その後の「Flowers & Fruits(花と果実)」は、太陽の光と時間の経過を意味し、デザートの数々で花が開く演出に仕立てた。例えばメロンのシャーベットをテーブルサイドで作り、メロンの種とサフランで作ったメロンビネガーを添え、メロンの葉をバジルオイルで包んだフレッシュメロンを提供する。トマトであれば丸ごと使い、パウダー状にしたトマトの砂糖漬けにトロピカルフルーツ「竜眼(ロンガン)」のエスプーマとマリーゴールドをトッピングする。

 ランチタイムには、ビジネスランチ向けのコースと、テイスティング・メニューのフルメニューを提供する。

 営業時間は、ランチ=12時~14時、18時~20時30分(以上、ラストオーダー)。月曜定休。要予約。

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