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香港のアーティストTomii Chanさんがライブ 日本で初のパフォーマンスも

日本でのパフォーマンスも決まった香港のシンガー・ソングライター、Tomii Chanさん

日本でのパフォーマンスも決まった香港のシンガー・ソングライター、Tomii Chanさん

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 香港のインディーズシーンで注目を集めるシンガー・ソングライター、Tomii Chanさんが5月26日、サンポーコン(新蒲崗)のカフェスタジオ「Until Coffee」(Workshop 3, 11/F Artisan Lab,21 Luk Hop Street, San Po Kong)でライブを行った。

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 同店が入居する建物は鑽石山(ダイヤモンドヒル)駅から徒歩圏内にあり、香港のデベロッパー新世界発展が新築の工業用ビルプロジェクト「Artisan Lab」として建設した施設。香港の音楽シーンで、新人やインディーズのアーティストの多くは100人規模のライブハウスやカフェなどがパフォーマンスの場所となることが多く、「コーヒーを楽しみながら」「人とつながりながら」定期的にライブを開いている。

 ライブ当日はカフェいっぱいに100人程度の観客が集まり、バンド形式で楽曲を披露した。若い女性やカップルなどがステージを見守る中、新曲のMVも公開。代表曲「Sway Away」を含め約1時間30分のパフォーマンスを提供した。

 Tomiiさんは香港生まれ香港育ち。小学生の頃、手にしたバイオリンが音楽との出合いだった。2014年、ギタリストとしてデビューした。ボーカルとギターで活動するTomiiさんは元々、ブルースやフォーク、インディーロックが主な音楽スタイルだったが、現在はR&Bの要素が多い。高校生の頃はブルースをよく聴いて演奏していたというが、今はブラックミュージックの発展をたどりながら、トレンドを追いかけ、R&B、ヒップホップ、ポップスなどの楽曲作りを手がける。「他の文化と自分のできることのバランスを取って、もっと世の中のニーズ、今の時代に合ったものも作りたい」という。

 香港で一般的な広東語ではなく英語で歌うスタイルで、ギターをはじめさまざまな楽器を操り、「Stranded Whale」など複数のバンド活動を経て、現在はソロで活動する。シンガー・ソングライターとしてソロのキャリアでは2作のアルバムと3作の EP をリリースし、ソウル、R&B に傾倒した音楽性で、最新 EP「live better」は Spotify「+852 Rising」でプレーリスト・インとともにカバーアーティストにも選ばれた。香港の代表的音楽フェス「Clockenflap」など音楽イベントへの出演や、直近では解散したソウルジャムバンド「Fds/4eva」のボーカル兼ギターとして、台湾の人気バンド 「落日飛車」の香港公演サポートアクトなども務めた。

 プロデュース業やプレーヤーとしても活躍し、著名アーティストやバンドとのコラボレーション、映画のサウンドトラック、アートプロジェクトの音楽提供、ブルース・フェスティバルのオーガナイズなど、音楽シーンの最前線に立ち、ミュージシャンやクリエーターの信頼も厚い。

  Tomiiさんは6月23日、東京・渋谷のライブハウス「O-nest」で毎月開催されている無料音楽イベント「exPoP !!!!!」への出演も決まった。日本では初のパフォーマンスとなる。「今、日本ではアジア各国の音楽への注目度が高まりつつある。台湾ならこのバンド、タイならこのシンガー…など続々と目星がつく中、香港ミュージシャンとして注目してもらえたら」と、日本でプロモーションを担当する上田優子さんは話す。「Tomiiが香港の音楽シーンを知らしめる存在になることで、他にも香港にたくさん存在する才能とセンスにあふれたミュージシャンに光が当たることを願う」とも。

 日本でパフォーマンスをするに当たり、Tomiiさんは「人として何か共通するものがある気もする日本という、近くて密接な文化圏の人たちと出会い、新しい友人を作ることができるのは本当に楽しみ。今回のツアーでは、地元の志あるミュージシャンとのコラボレーションも視野に入れるなど長期的な考えで、今後も日本という美しい国を訪れ、さらに大きな会場で自分のライブができるようにしたい。日本の音楽は私の成長にとって重要な部分で、成功すれば、メロディーや感情、感覚といった音楽の普遍性を証明できる」と意気込む。

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