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「ニトリ」香港進出 九龍湾・MegaBoxに大型店、9月開業へ

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 家具・インテリア用品専門店「ニトリ」香港1号店が9月、九龍湾(Kowloon Bay)にあるMegaBox(L6, MegaBox, Enterprise Square Five, 38 Wang Chiu Road, Kowloon Bay, Kowloon, Hong Kong)にオープンする。大型店で1号店から旗艦店となる。ニトリ(札幌北区)が5月23日、発表した。

香港で力を入れる予定の商品「Nクール寝具」

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 香港は、2019年ごろから、食料品を中心に扱うドン・キホーテの新業態「Don Don Donki」、回転寿司大手の「スシロー」、ドラッグストアの「マツモトキヨシ」など、さまざまな日系企業が大規模なデモやコロナによる停滞の影響を受けながらも香港に進出し続けている。今度は日本最大の家具量販店が登場することになるが、親日家が多い香港市民をターゲットにしたビジネスは依然として魅力的に捉えられている。

 同社は、円安進行や原油高などの影響もあり、2023年3月期の決算で24年ぶりに最終減益となったものの、それまでは連続増収増益を長年継続してきた。創業者の似鳥昭雄ニトリホールディングス会長が1967年12月、札幌に「似鳥家具店」を開店したことから始まる。以来、拡大を続け5月21日現在、全世界で921店舗を展開。うち日本では503店舗、中国本土70店舗、台湾55店舗、マレーシア7店舗、シンガポール1店舗を展開する。アメリカにも「Aki-Home」のブランドで出店していたが、現在は全て撤退した。

 香港の家具業界は、地元の「實惠(Pricerite)」とスウェーデンの「IKEA」の2つが強い。より「こだわった」家具を求める場合は「BoConcept」「Indigo Living」「Tequila Kola」など、中環や鴨●洲(Ap Lei Chau)の「新海怡廣場(Horizon Plaza)」に店があるようなブランドがあるが、選択肢はあまり多くない。ニトリの香港進出は消費者の選択肢を増やすことにつながる。

 香港1号店が出店する「MegaBox」周辺は、香港屈指の人口密度を誇るエリアであるほか、駅からは少し離れているものの、約1000台の駐車スペースを備えているため、東九龍エリアを中心に、将軍澳(Tseung Kwan O)や元朗(Yuen Long)周辺などを含め香港全体が商圏となる。

 店舗面積は約2万平方フィート(=38万平方メートル)、アイテム数は約5500。ソファ、ダイニングテーブル、クローゼット、カーテン、食器、子ども向けに設計した商品を取りそろえるほか、多彩な日用品も用意する予定。

 ニトリが香港で力を入れて販売したいと考えているのが、高温多湿の香港市場に合う自社開発した寝具「Nクール」。肌に触れると「冷たい」と感じるほか、抗菌、防臭、部屋干し臭抑制、洗濯も可能などの機能を持つという。冬に向けては寝具「Nウォーム」も販売する計画。

 基本的に香港の家の暖房システムは良いとはいえないため、冬になると高い湿度の影響もあり、室内は意外に寒い。独自技術で保温をしつつドライで快適な効果を発揮するという「Nウォーム」の寝具にも期待をかける。

 ●=月へんに利

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