百年以上昔の香港をモノクロの世界で振り返る-尖沙咀・歴史博物館で写真展

19世紀末、西營盤の海岸線(LCSD提供写真)

19世紀末、西營盤の海岸線(LCSD提供写真)

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 香港歴史博物館(100 Chatham Road South, Tsim Sha Tsui, Kowloon)で現在、19世紀半ば~20世紀初頭の香港の街の様子と住民の生活を写真で振り返る企画展「Images through Time: Photos of Old Hong Kong」が開催されている。

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 同展は、文化教育関連の基金Moonchu Foundationがイギリスから購入した1万枚以上の香港を含む中国の写真に加え、歴史博物館所有の写真の中から約700点を追加して抜粋したものをポスターサイズや天井までを大きく使った大型パネルなどで構成する。

 19世紀半ば、香港がイギリスの植民地になった後、中環を中心に徐々に建物が建てられていく様や同じパノラマの写真でも九龍側が割譲されていない段階での様子など、歴史的な記録を含め、政府の建物から市民の日常生活の様子まで幅広く紹介する。

 沿岸部に貿易をするためのビルが建てられ、香港上海銀行(HSBC)が建てられたころの香港はほとんどが山に囲まれていたことが分かり、西洋と東洋が混ざり合った現在の香港というよりは、西洋と東洋が一枚の写真に、それぞれ存在する様子が印象的だ。教育現場や交通手段を振り返る展示もあり、電車やバスが登場するまでは日本から導入されたRickshaw(人力車)が長年香港で重要な交通手段の一つになっていたことを物語る写真もある。

 併せて、スコットランドのジョン・トムソンさんをはじめとする西洋人の写真家が香港で滞在をしながら収めた写真などを紹介しながら、1860年代に西洋から中国や香港にカメラや写真がどのように持ち込まれ伝わっていったかを紹介するのも同展の狙いの一つ。クイーンズロードイースト(皇后大道東)で初めてレンズを向けられ不思議な表情を浮かべる香港市民の様子を如実に写し出した写真も展示する。

 開館時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日=~19時)。火曜休館(祝日の場合開館)。入場料は、大人=20香港ドル(水曜日=10香港ドル)、学生と60歳以上=10香港ドル(同=5香港ドル)。学芸員によるガイドツアーも広東語は連日、英語と北京語は土曜・日曜・祝日に各回30人定員で行っている。4月21日まで。

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