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香港経済新聞上半期ランキング1位は「グレーターベイ航空、日本就航」

上半期ランキング1位は香港の航空会社グレーターベイ航空の成田就航のニュース

上半期ランキング1位は香港の航空会社グレーターベイ航空の成田就航のニュース

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 2023年香港経済新聞の上半期PV(ページビュー)ランキング1位に輝いたのは、香港の新しい航空会社「グレーターベイ航空」が日本に就航したことを伝える記事だった。

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 グレーターベイ航空は2022年2月に営業許可を取得し、同年7月、最初にバンコク路線で旅客便として就航し、台北、成田、ソウル、大阪に定期便を飛ばしている。日本には1月12日、成田に就航した。現在も大阪のデイリーも狙い、他の路線も含めて日本にも意欲的に取り組んでいる航空会社で、香港の航空会社は昔から厳しい競争環境にさらされてきた中、キャセイドラゴン航空が消滅した路線を補う航空会社としても期待されている。

 ランキングは、今年1月1日から6月30日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。

1. 香港のグレーターベイ航空、日本就航へ キャセイドラゴンの補完的役割も (1/10)

2. 香港政府、コロナ陽性でも隔離なし 入境者にも適用、マスク着用義務も微修正(1/23)

3. 香港政府、入境条件を全面緩和 ワクチン接種なしでも渡航可能に (2/8)

4. レスリー・チャン没後20年 香港駅構内やショッピングモールで企画展 (3/27)

5. 香港2024年の祝日発表 「攻略法」でイースターは10連休も(5/29)

6. 日本政府、香港からの旅客便への空港制限撤廃 中国本土との隔離なし往来は8日再開(1/6)

7. 香港はショッピングモール開業ラッシュ 空港横に最大規模のモールも(2/14)

8. 上環とマカオを結ぶ高速船、ターボジェット運航再開 日帰りも可能、往来しやすく(1/19)

9. 中環の象徴的な新高層ビル、全貌明らかに ザハ・ハディド設計(6/12)

10. スターフェリーでペニンシュラ香港のアフタヌンティーを 3カ月限定(3/24)

 2位・3位にはコロナ禍関連のニュースがランクインした。現在でも香港内に感染者は日々いるものの、規制などはまったくなくなったが、まだ半年前の香港はウィズコロナに舵を切りながらも中国本土の厳しいゼロコロナの影響を受ける面も多かった。1月に入り、本土が一気に規制を緩和したことで香港でももはや規制を敷く意味もなくなり、マスク着用義務についての微修正やワクチン接種証明なども撤廃された。香港経済新聞でも180本以上のコロナ禍関連の記事を配信したが、この半年でやっと通常の街の様子を伝えるニュースに切り替わった。

 4位にはレスリー・チャンの追悼イベントについての記事がランクイン。今年は没後20年の節目の年であったことから、香港内各所でイベントが開催され、本人の衣装や作品をはじめ、演奏や当時を振り返る対談企画なども多く組まれた。

 5位には久々2024年の公休日についての「休日の攻略法」がランクインした。香港では、コロナ禍前は政府発表後すぐに、多くの市民がSNS上で情報を拡散し合う注目の「香港公休日」だったが、日本からもアクセスが多く、香港から日本へのインバウンドや香港とのビジネスを手がける人たちにとって「公休日」をいち早く知りたいというニーズもうかがえる。

 7位と9位の記事を見ても、香港には依然として大型のショッピングモールや高層ビルなどの建設が続いていることも話題になっていることが分かる。

 10位には、香港を代表するペニンシュラホテルとスターフェリーの企画にも読者の注目が集まった。3カ月の期間限定プログラムだったが、デモ、そしてコロナ禍で通勤客の利用も減り、観光客も消え、香港観光の象徴の一つでもある「ビクトリアハーバーのスターフェリー」が経営危機にあることから、自身も大きな打撃を受けながらもそれを救おうとするペニンシュラ香港側からのアイデアで成立したもの。ソファや観葉植物などもペニンシュラから運んだため、本来であれば「優雅なイメージ」のペニンシュラのスタッフたちも文字通り「汗を流して」取り組んだ企画だったという。

 10位以内にはランクインしていないものの、「リージェント香港」の開業や、その日に豊洲で水揚げされた日本の鮮魚が夕方には店頭に並べるスピードが一般消費者まで届くようになった「Uoya ZEN」オープンをはじめとした日本関連企業、日本食材を使うレストランや店のオープンなども注目が高い。

 7月1日、香港は返還から26年を迎えた。香港を離れ、海外移住した香港人もいる。一方、一度移住をして戻ってきた香港人もいる。街なかでは一般的に中国本土で使われる中国語も当たり前に聞こえるようになり、広東語と普通話を混ぜたような言葉や英語と普通話の組み合わせの会話も聞こえる。確実な変化がある中で、新しいビジネスも生まれ、日本食材を扱う店が開業し、新規店のオープンも続く。アルプス処理水を巡る一連の動きは、長年日本食材の輸出ナンバーワンを誇ってきた香港市場、特に一般的な香港市民にとっては死活問題であり、この夏、大きな山場を迎える。一方で今後最大の課題は中国本土との往来、ビジネスの再開だ。

 日本国内のニュースにはさまざまな香港への見方があるが、決して明るいニュースがない訳ではなく、アート関連をはじめとしたさまざまな施設、大型イベントなどは日本と比較すると予算や工夫を凝らしたものも数多く体験することができる。下半期も、香港で生活する人、香港とのビジネスをする人にも役立つ日々のニュースをいち早く伝えていきたい。

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