香港で最新のナイトライフ&カクテルバー「Maggie Choo's」(Shop 1 Ground Floor 1-13 Hollywood Road, Central TEL 6250 6000)が7月5日、 中環の荷李活道にオープンした。
外観はレストランが並ぶ通りにあるアンティークショップ風の外観が特徴。店に入ると店員が「意味ありげな笑顔」を浮かべて出迎える。店員の導きに従い重いドアが開くと、「謎めいた古き良き時代にタイムスリップするような旧世界へ誘う」という。
同店はアシュリー・サットンさんの作品の世界で、過去にもクジャクをテーマにし、鳥かごに入ったカクテルなどを提供していた店「オフィーリア」、万華鏡のような世界を描いた店「ドラゴンフライ」などで、非日常的なエンターテインメントを表現してきた。今回の店は、タイなどでは既に展開してきたブランドで、「サットンさんのクリエーティブな才能をナイトスポットの特注デザインに生かした」という。
店名の「マギー・チュウ」は、戦争で荒廃した実家のアンティークショップを受け継いだ孤児の少女で、アンティークショップの裏に隠されたドアを発見するという架空の物語。そのドアは、1847年に東インド会社によって建てられた廃銀行へと通じており、それ以来、ぜいたくな秘密のキャバレーへと姿を変えたというストーリーをベースにしている。アンティーク調の巨大な銀行の金庫室のドアの先にある空間は、銀行時代をほうふつとさせるレザー、輸入チーク、銅で装飾を施した。天井全体には格子状のアイアンパネル、壁一面には無数のビンテージスタイルの貸金庫のデザインを施す。
アール・デコ調のビンテージ・ペンダント・シーリングランプが照らす薄暗い照明が、「温かく官能的な雰囲気を醸し出す」という店内。手作りの木製テーブルにマッチするようにビンテージのグリーン・ベルベットの背もたれにびょうが留められた「チェスターフィールド」のソファやバー・スツール、大小さまざまな彫刻、センターピースとしてのグランドピアノなどをデザインのハイライトとする。
銀行窓口カウンターをカクテルバーに見立て、鉄格子の奥に巨大なビンテージの世界地図をアクセントにした。カウンターは大理石で作り、さまざまなカクテルを提供する。同店のカクテルプログラムは、古典的な万能薬に現代的なひねりを加えたもので、メニューの多くは1920年代の禁酒法時代にインスパイアされたものだという。シグネチャーカクテルを6種類用意した。夏の暑さをしのぐために軽い口当たりの「Delusion」(160香港ドル)は、タイム入りの南米の蒸留酒「ピスコ」にパイナップルジュースとかんきつ類を加えた。
フードはシェアに向いたチョリソー、テリーヌ、ソーセージ、ピスタチオ、オリーブ、リンゴなどを盛り合わせたシャルキュトリー「Charcuterie Board」(228香港ドル)をはじめ、コリアンダーとチリを添えたコーン「Sweetcorn “Ribs”」(78香港ドル)、カボチャの種、フレッシュミント、レモンをトッピングし、トルティーヤチップスを添えたエンドウ豆のワカモレ(98香港ドル)などを用意した。
生演奏をはじめとする音楽は、常に入れ替わる新旧のジャズやブルースを展開。DJが真夜中過ぎまで盛り上げる。チャイナドレスに身を包んだ女性パフォーマーたちのダンスの時間も設け、パフォーマンス後もオブジェに座ったり、寝そべったりするなど、戦前・戦時中の混沌(こんとん)とした上海の一風景を切り取ったような雰囲気を演出する。
営業時間は18時~深夜。