昨年オープンした尖沙咀のハーバーシティー内にある上海料理のファインダイニング「个園竹語」(Shop 3202, 3/F, Gateway Arcade, Harbour City, 25 Canton Road, Tsim Sha Tsui、TEL 2116 8328)が9月25日、上海ガニの特別メニューなどの提供を始めた。
香港では10月に入り、ショーウインドーにもカニが並び、上海料理店では各種メニューの提供が始まっている。香港では一般的に「大閘蟹」と呼ぶが、今年の上海カニは「例年通りの成長具合」と言い、同店では「全て検査済みで、輸入証明書も取得した雄のカニを使う」という。雄のカニはみその味が濃厚で、雌の上海ガニは卵が詰まっているとされ、雌雄の味の好みは人それぞれ。カニを裏返し甲羅が三角なら雄、丸なら雌と見分けることができ、シーズン中にも味が変化していく。
同店では、8つのコースメニュー「Savour The Hairy Crab」(588香港ドル)を用意した。「足六両」 (187~206グラム)の毛ガニを使いながらも、500香港ドル台(通常価格988香港ドル相当)に設定している。もともと上海ガニの「繊細で甘みのある味」は、淮揚上海料理の珍味として高く評価されている。 江蘇産蒸しガニでメニューを構成した。
コースは上海料理の定番をそろえた前菜で始まる。ウナギを揚げたものに蜂蜜ソースを絡めた蜜汁脆●、キヌガサダケと黒キグラゲ、麩(ふ)の「四喜●麩」、甘酢を絡めたスペアリブ「糖醋小排骨」、卵の燻製(くんせい)煙燻溏心蛋」を一つの皿に並べる。
中華風茶わん蒸しのような卵に大きな弾力あるエビを真ん中に、上海ガニのソースをたっぷりかけた「蟹粉蝦球燉蛋」は、カニとエビを組み合わせ「ふわふわとした食感」を楽しめるようにした。フカヒレと上海ガニの煮込みスープ「鮮拆蟹粉●魚翅」は、「滑らかで香り高いスープ」にしっかりと上海ガニの特徴を生かし、「クリーミーさとコクを与えている」という。
続くメインは蒸した上海ガニをそのまま提供する「清蒸江蘇大閘蟹」。上海ガニの扱いに不慣れな客のニーズも理解し、必要に応じて「カニさばき」も行うなどのサービスも行う。
看板料理のクリスピー・アンガス・ビーフ・リブ「脆皮安格斯牛肉」は、「カニのデリケートな風味とのコントラストが楽しめる」ようにメニューに組み込んだ。外はカリッと黄金色に焼き上げ、柔らかくジューシーな肉を包んむ。その後、魚料理「椒鹽原條小黄魚」や小籠包「蟹粉小籠包」が続く。
食事の最後を締めくくるデザートは紫イモのゴマ団子「紫薯薑茶湯圓」。甘く煮たしょうがスープにごま団子子を浮かべた。上海ガニメニューにはしょうがをよく組み合わせるが、これは「刺激の強いカニ料理を食べた後に胃を落ち着かせ、不快感や胃もたれを和らげるため」だという。
コースメニュー以外にも、限定メニュー「上海ガニ特別メニュー」として20種類以上のメニューを用意した。蟹粉小籠包(5個、150香港ドル)、焼き餃子「蟹粉煎鍋貼」(3個、99香港ドル)などの手軽に追加できるメニューのほか、魚の浮き袋「花膠」と上海ガニの卵を組み合わせた「蟹粉●原件花膠」(248香港ドル、1人) 、上海カニみそを合わせた麺「蟹粉拌麺」(1人288香港ドル)、上海ガニの卵、ホタテ、ナマコを使ったチャーハン「蟹粉三鮮石鍋飯」(298香港ドル)などを用意する。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時30分、ディナー=18時~23時。
●=魚へんに、善、●=火へんに考、●=火へんに會。