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香港鉄道博物館がリニューアル 展示車両にディーゼル機関車加わる

リニューアルの目玉であるディーゼル機関車60号車

リニューアルの目玉であるディーゼル機関車60号車

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 大埔(Tai Po)にある香港鉄路博物館(Hong Kong Railway Museum)が10月4日、リニューアルオープンした。

110年を記念した新企画の展示も

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 今年は大埔墟駅(Old Tai Po Market Railway Station)が建設されて110周年を迎えることから、リニューアル工事を行った。新装した同館の注目は「喬沛德號(Peter Quick)」と呼ばれるディーゼル機関車(60号車)の展示だ。

 リニューアルの目玉であるディーゼル機関車は60~62号があったが、展示しているのは60号車で、1974年に導入されたもの。60号車は1991年に「喬沛德號(Peter Quick)」と名付けられたが、これは1983年~1990年まで九廣鉄路(KCR)でマネジングディレクターをしていたピーター・クイック(Peter Quick)さんの名前から取った。

 運転を始めた時代は、上水駅(Sheung Shui Station)と九龍車駅(Kowloon Station)を結び(当時は尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のフェリーターミナル前まで鉄道が敷かれていた)、その後、移転先の紅●駅(Hung Hom Station)との間で客車をけん引する機関車として活躍した。1983年に同区間が全面電化されると、貨物や路線のメンテナンス車両をけん引。2021年に引退した。理由は、東鉄線(East Rail Line)が金鐘(Admiralty)まで延伸する際に新しい信号システムを導入したため、60号車では対応できなくなったため。

 60号車を運転していた運転手はリニューアルを記念したスピーチで、「運転席に冷暖房がなく、夏は時には45度まで室温が上昇。運転席にあった小さなファンを回し、汗だくになりながらの運転を強いられたほか、逆に冬場になるとズボンなどを3枚ほど重ね着していた」と振り返った。

 「貨物車両を引っ張るようになってからは、水産物を運ぶ箱に入っていた水が密閉されていないことがあったため、水がこぼれてプラットホームにいる客にかからないようしながら、運行スケジュールに遅れを来さないようにするため、ある程度のスピードを出す必要性にも迫られ、高度な運転技術が求められた」とも。

 加えて「家畜を運送していたため沿線住民からは列車が通過すると臭い」という苦情受けていたという。2000年に上水に食肉処理場が完成して市民からの苦情はなくなったが、香港社会を支えるためとはいえ、ポジティブな歴史だけを背負って運行していただけではない一面もあり、60号車の展示意義は大きいという。

 引退後、香港鉄路(MTR)は定期的にメンテナンスしており、機械や内装などについては大きなダメージもなく補修は容易だった。ただし、外装にさび、ひび、剥げている箇所があったため、それらを補修しながら、導入当時の色を再現するのが難航した。それでも約2カ月で修復を終えたという。

 今の博物館となる最初の駅舎が出来て110周年。大埔墟駅は1913年に同館がある場所に駅が建設されたが、1983年に現在の場所に移動している。旧駅が完成した時は、香港で唯一の中国建築様式の駅だった。展示では、さまざまな団体などから寄せられた当時の様子が分かる貴重な写真や駅の歴史、駅の開業により大埔地区のコミュニティーがどのように発展してきたのかも紹介する。

 開館時間は10時~18時。火曜休館。入館無料。

 ●=石へんに勘

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