銅鑼湾の駅からほど近い白沙道に10月24日、カカオを専門に販売や紹介をする「CACAOLAB」(3/F, 20 Pak Sha Road, Causeway Bay)がオープンした。
2階にはカカオの歴史やチョコレートの製造工程について学べるミュージアムも
香港では健康志向の高まりとともに、カカオも注目を集めている。カカオ愛好家のために「特別なチョコレートを慎重に開発した」という同店。銅鑼湾(コーズウェイベイ)に誕生した3階建ての建物はグランドフロアを小売り、1階をカフェ、2階をミュージアムとして、全てカカオをテーマに展開する。「スタイリッシュなデザイン」にパッケージングしたチョコレートを整然と陳列し、インスタ映えするウオールになるよう設計したという。
同店オープンに向け、今年の初め、同店開発チームは南米を旅し、カカオ農園やサプライヤーを訪問した。南米のエクアドル、コロンビア、ドミニカのカカオ農園と提携し、農園で栽培されたカカオを利用する。食材には北海道のミルクやフランスのバターなども使う。「ケーキ類は日本のシェフにも知恵を借りて完成させた」と言い、「パンは台湾のパン職人に焼き上げ工程を担当してもらう」とも。
グランドフロアには、今回新たに開発をした3つの主要な手作りチョコレート・コレクションを並べる。シングル・オリジン、フルーツ・インフューズド、フルーツ・インフューズドのダークチョコレート。パッケージもカラフルにし、インスタ映えするような陳列で印象に残すようにした。
チョコレートは多くの種類で展開。エクアドル産100%ダーク・チョコレート「Perla」は、蜂蜜、ナッツ、キャラメルの香りを持つ。「100%ダークチョコレートでありながらビターではなく、ほのかに酸味がある」という。同じ「Perla」でも、88%ダークチョコレートは、カカオ濃度が88%でもカカオ独特の風味はそのままに、ダークチョコレート愛好家にも、新しい味を求める人にも喜んでほしいという。
「Wildcraft」は、ドミニカ産 の72%ダークチョコレートだが、ドミニカのカカオ栽培の歴史は、他の南米諸国に比べて比較的浅いものの人為的な介入がほとんどないため、「自然の中で生育し、その独特の風味がブレンドされている」という。
同店のダークチョコレートは「ほのかに甘く苦味がある」と言う。ストロベリー、マンゴー、ドリアン、パイナップル、デーツ(ナツメヤシ)などを使った砂糖無添加で、フルーツそのものの甘みと香りだけで作ったフルーツ入りダークチョコレートも販売する。
ローズを組み合わせた「ローズ70%ダークチョコレート」は、台湾屏東産の食用バラの花びらを使って仕上げた。ストロベリーアールグレイ70%ダークチョコレートは、アールグレイ紅茶のかんきつ系の風味に、「ストロベリーのほのかな酸味」を加える。
香港ならではのアイス・カカオ・ジュース(ホット=48香港ドル、コールド=58香港ドル)も販売。同店では、抽出後のジュースを冷凍し、アイス・カカオ・ジュースにするために冷蔵輸送で香港に送るよう農園に依頼するため、「あらゆる手段を講じた」。すぐに冷凍し冷凍輸送で香港に送ることで、「濃厚でおいしいカカオジュースを提供できる」という。
シンプルでミニマルな空間に仕上げてた1階のカフェスペースには、グランドフロアで購入した飲食を自由に持ち込むことができる。
2階には香港初のカカオミュージアムを開設した。カカオの歴史や商品になるまでの行程を知ることができる展示物を用意している。カカオツリーについての説明や香りの区分、実際にチョコレートに使う品種なども展示するほか、自由に香りを嗅ぐこともできるようにした。カカオミュージアムでは、チョコレートテイスターによるワークショップも定期的に開く予定。
営業時間は11時~21時。