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香港で日清食品と韓国スーパー「韓印紅」がコラボ  オリジナル袋麺販売へ

日清と韓国企業がタッグを組んで開発した新商品

日清と韓国企業がタッグを組んで開発した新商品

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 日清食品ホールディングス傘下の現地法人である日清食品(香港日清)は1月10日、香港で30店舗以上を展開する韓国系のスーパーマーケット「韓印紅(Han Yin Hong)」と初提携した商品として「葱葱辣麺(Green Onion Spicy Noodle)」を販売すると発表した。

日清食品安藤清隆董事長(左)と韓印紅林栽華代表理事(右)も出席をして記者会見も

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 同品は袋麺の商品で、香港内にある韓印紅の各店舗での独占販売商品として、1袋9香港ドルで販売する。外国にルーツを持ち、香港市民に親しまれている企業のコラボレーションは珍しいケースといえる。

 日清食品が販売する「出前一丁」は、香港市場では日本以上に市民に親しまれているほか、香港日清は2017年に香港証券取引所に上場するなど、香港社会と関わりが深い。特に「出前一丁」については、香港日清が1984年に香港進出する前、香港の食料品会社で、神戸にもオフィスを構えていた「栄興(Wing Hing)」を経営していた湯栢栄さんが輸入販売したことに始まるなど、歴史も長い。

 韓印紅は、韓国の関税庁で働いていた林栽華(Jae Hwa LEEM)代表理事が創業した。公務員で安定した生活を送っていたものの将来への不安も抱いたことから、ニンジンの輸出業を始めようと考え、中国と香港でビジネスを始めた。

 2009年に上環(Sheung Wan)に韓印紅の1号店を構えた。2022年の時点で36店舗を展開。売り上げは600億ウォン(約65億円)、従業員は200人を超える。店舗展開に当たり、徹底的な商圏の調査、競合他社の商品ラインアップを研究した。併せて、ニンジンのみならず多彩な商品を売っていることを告知するため「巧みな」マーケティングを展開。今では韓国の農産物を中心に、いろいろな食品を購入することが可能な店として香港市民に知られている。昨今の韓流ブームの流れにも乗ることができた。

 さらに、事業を生かして飲食業にも手を広げ、尖沙咀の金馬倫道に韓国料理「海陸空(JJANG)」をオープンした。

 同品のテーマは「ネギ」。韓国料理はパンチャンと呼ばれるさまざまな料理が小皿で運ばれてくるが、日本人にも親しまれているキムチ、ナムルなどのほかに、パジョリなどネギを使った小皿料理もたくさんある。そのネギは栄養豊富で滋養もあることから、冬場には普通の韓国料理でもいろいろな料理に使われている。

 葱葱辣麺は、キャベツ、キノコ、タマネギなどの野菜と鶏肉や牛肉のうまみ成分を加えた特製スープで、コシがある麺とよく絡むのが特徴。具材には長ネギのほか、キノコも入る。辛さも「絶妙に仕上げた」と言い、「韓国人が食べても納得できる味を追求した」という。

 海陸空では、香港の飲食店でよく食べられる出前一丁のように、葱葱辣麺を生かした特別メニューを用意した。一つは伝統的な韓国スタイルの調理法で作られた韓国スープ麺「葱葱辣麺(原味)套餐(Green Onion Spicy Noodle and Sour Pork Set)」(68香港ドル)で、たくさんの長ネギが麺の上にのっているほか、韓国式酢豚「タユンスク」がセットで付く。もう一つはカニ入りの「花蟹葱葱辣麺套餐(Green Onion Spicy Noodle with Crab and Sour Pork Set)」(78香港ドル)で、こちらはタユンスクに加えカニの風味も利かせたスープが特徴となっている。

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