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香港で専用ゴミ袋販売開始 開始時期は2度の延期で8月1日に

専用のごみ袋は緑色でさまざまなサイズが

専用のごみ袋は緑色でさまざまなサイズが

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 飲食店、企業、一般家庭から排出されるごみについて専用の有料ごみ袋の使用が義務化されるのを前に、1月26日、指定ごみ袋の販売が始まった。

ゴミ袋の種類とそれぞれのサイズ

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 この法律は2021年に立法会を通過したが、8月の開始を前に販売をスタートし混乱を避ける。当初は4月1日に始める計画だったが、市民の理解が進んでいないと判断し、4カ月の延期を決めた。一方、テイクアウトなどに使われる発泡スチロール製の容器やプラスチック製のスプーンなどの提供が禁止になることについては、予定通り4月22日に始まる予定だ。

 香港が抱える最大の問題は土地が狭いことで、埋め立て地の確保も苦労している。「持続可能な社会」の達成に向け香港政府がプロジェクト「緑在區區(Green Community)」を創設し、リサイクル用品を回収するステーションも増え、リサイクルのポイントカードを作るなどさまざまな試みをしてきた。しかし、まだ分別収集が市民に浸透していないほか、2018年の1日1人あたりのごみの排出量は東京などと比べると多く、減量できる余地があり、それが2021年の法制化につながった。

 当初は4月1日から専用ごみ袋の使用を義務化する予定だったが、香港政府はまだ大勢の香港市民が新しい方法について理解が進んでいないと判断。まずは4月1日から政府機関などで始めることで周知徹底と実証実験を行い、それを踏まえて8月1日から市民にも実行してもらうことにした。

 サイズは1リットル当たり約11セントで計算する。実際にレジで販売されるサイズは、3リットル=30セント、5リットル=60セント、10リットル1.1香港ドル、15リットル=1.7香港ドル、20リットル=2.2香港ドル、35リットル=3.9香港ドル、50リットル=5.5香港ドル、75リットル=8.5香港ドル、100リットル=11香港ドルの9サイズ。客は会計時、店独自で販売するレジ袋か専用ごみ袋をレジ袋代わりに購入することもできる。帰宅後は専用ごみ袋として使用えるようにした。最少の3リットルのサイズで、横24センチ、高さ37.5センチとなる。粗大ごみには専用のラベル(11香港ドル)もあり、粗大ごみに貼る必要がある。

 販売は、セブン-イレブン、サークルK、恵康(Wellcome)、3hreesixty、Market Place、日本城(Japan Home Centre)、百佳超級市場(PARKnSHOP)、華潤萬家(China Resources Vanguard)、AEON、ものもの(Mono Mono)、Living Plaza、ダイソー、HKTVMall、foodpanda、實恵(Pricerite)、一田百貨(YATA)、永安百貨(Wing On Department Stores)、シティスーパーなどスーパーマーケットを中心に販売し、入手に困ることはほぼない販売網を整える。

 違反すれば1,500香港ドルの罰金となる。重大な違反で起訴され、裁判にまで持ち込まれ、有罪となれば1回目は最高で2万5,000香港ドルの罰金と6カ月の懲役、2回目は5万香港ドルの罰金と6カ月の懲役となる。ごみ袋には偽造防止の特殊な印刷が施されており、偽造を販売や所持した者は最大50万香港ドルの罰金と5年の禁固刑となる。

 一方、香港政府のもう一つの目玉である、プラスチック製品の使用制限については、第1弾を4月22日から行うことに変更はない。発泡スチロール製の食器、スプーンなどの使用が禁止され、つまようじ、雨傘用ビニール袋の配布なども禁止される。

 これらの施策を実行することで、香港政府としては「環境にやさしい街」を目指す。

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