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香港のタクシーさらなる値上げ、政府承認へ 7月14日から

香港政府の行政会議は、タクシー料金について一律に値上げする案を承認した

香港政府の行政会議は、タクシー料金について一律に値上げする案を承認した

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 香港政府の閣議に相当する行政会議は5月14日、タクシー料金について、車体が赤の市区的士(Urban Taxi)、緑の新界的士(New Territories Taxi)、青の大嶼山的士(Lantau Taxi)を一律に値上げする案を承認した。初乗りでは2香港ドルの値上がりとなる。22日の立法会に料金改定の法律が提出され、賛成多数で承認される見通し。7月14日から値上げとなる。

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 値上げはコロナ禍で客数が減少していた2022年7月以来となる。その後、ポストコロナ禍の社会が到来したが、利用者数は戻ってきていないうえ、原油価格の高騰による燃料コストとメンテナンスの費用も増加。加えて、香港はUberの営業も認められており厳しい経営環境になっていた。

 香港政府によると、「2023年の平均月収はインフレを差し引いた分を除くと、市区タクシーと新界のタクシーはコロナ禍前の2019年をわずかに上回ったが、ランタオ島は下回った」としている。

 具体的な料金は、最初の2キロは赤が27香港ドルから29香港ドルに、緑は23.5香港ドルから25.5香港ドルに、青は22香港ドルから24香港ドルに2香港ドルずつの値上げとなる。短距離については200メートルごとに料金が加算されるが、こちらも一律20セントの値上げとなる。赤は2キロから9キロが2.1香港ドル、緑は2キロから8キロが1.8香港ドル、青が2キロから20キロが1.9香港ドルになる。長距離も全て200メートルを走るごとに10セントの値上げとなり、赤は9キロ以上は1.4香港ドル、青は8キロ以上で1.4香港ドル、青は20キロ以上で1.6香港ドルになる。

 香港タクシーの歴史を振り返ると、1923年の初乗り4セントで始まった。車両を見ると、例えば、1964年はタクシー会社8社が営業していたが、車両はドイツのメルセデスベンツなど、全て欧米の自動車メーカーだった。当時はまだ紅●(Hung Hom)と銅鑼湾(Causeway Bay)を結ぶ海底トンネルはまだ開通しておらず、エリアごとに色分けされていなかったため車体の色はさまざまだった。

 日本メーカーは、日産のセドリックが1968年に走行を開始したのが最初。現在は車両の約9割のシェアを握っているトヨタだが、香港市場に参入したのは1979年と日産より後発。1997年にはLPガスのタクシーの導入が始まり、2001年にはディーゼル車による営業が禁止された。最大手のトヨタは2019年よりトールワゴン型の車体「JPN TAXI」を香港にも導入した。日産はNV200バネットのような大型タクシーを導入している。こうした背景もあり、香港政府は2023年7月、最大乗車人数を5人から6人に規制緩和した。

 支払い方法も進化した。2011年から一部で香港の交通系のICカード「八達通(Octopus)」で支払いができる車も登場し、2017年になるとAlipayのほか「騰訊(Tencent)」の「微信支付(WeChat Pay)」、2018年になるとオクトパスがアンドロイド用スマートフォンに開発した「O! ePay」、2023年8月には、深センの交通ICカードである「深?通」が統合された「互通行」の利用が可能となり、現金以外の支払いサービスの拡充に努めている。一方、導入の手間や手数料がかかることから、キャッシュレスを搭載していないタクシーもまだ多く、住民や観光客、ビジネス出張者などもは長年不満を抱いている実情もある。

 ●=石へんに勘。

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