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香港・元朗にモール2施設が同時開業 西新界エリアがさらに発展

6月1日に開業した元朗(Yuen Long)の新しいショッピングモール「元點(YOHO MIX)」の開業時の様子

6月1日に開業した元朗(Yuen Long)の新しいショッピングモール「元點(YOHO MIX)」の開業時の様子

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 香港最大手のデベロッパーの一つである新鴻基地産(Sun Hung Kai Properties)は6月1日、元朗(Yuen Long)にショッピングモール「元點(YOHO MIX)」と「加點(YOHO PLUS)」を開業した。場所はYOHO TOWNで、両施設の総面積は合わせて15万平方フィートに及ぶ。

新しくオープンしたYOHO PLUSの外観

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 MTR元朗駅(Yuen Long Station)は、当初LRT(軽鉄)の駅として開業し、その後、2003年にMTRの西鉄線(West Rail Line)の駅が開業した。駅は元朗の繁華街からは少し離れたところにあるため、現在のYOHO MALLや高層マンション群のYOHO Townの辺りは、ほぼさら地だった。

 同所を新鴻基地産が開発する権利を取得し、大規模開発が始まった。ただ、YOHO Townのマンションが売りに出されたときは2003年に発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)が収束した時期に近かったことから、不動産市況は悪かった。そのため同社は低価格で販売する戦略を打ち出したため、逆に人気が殺到した経緯がある。当時SARSが香港で広がった要因の一つとして、多くのマンションに採用されていた配管の構造に問題があったことから、SARS対策を施した配管を備え付けたマンションでもあった。

 同社はマンション群を造成する中でショッピングモールも整備していく。2015年に同時開業した「形點I (YOHO MALL I)」と「形點II(YOHO MALL II)」は新界最大のショッピングモールとなっている。

 今回、開業した「YOHO MIX」は11万平方フィートの広さで、70店が入居する。若者をターゲットにしたモールとし、音楽、アート、インタラクティブ性の高い体験ができるようにした。例えば、香港のデジタルアートチーム「430」とコラボして長さ20メートルの巨大LEDスクリーンに3Dのアニメーションを投影するなど、SNS映えを意識している。イベントを想定した舞台会場には、75インチのスクリーン8台、LEDのイルミネーション装置、音響装置なども完備する。

 飲食店は、まぜそばの「麺屋こころ」、日本の焼き肉店「火蔵」、タイの「Tommy Yummy」、ドイツのスイーツ店「Bear & Friends」のほか、中国本土で人気のパンケーキ店「舒芙蕾(Fufuland)」が香港初進出を果たした。

 「YOHO PLUS」は総店舗数が40で、広さは4万平方フィートとMIXよりも規模は小さい。教育がテーマで、学習塾が20とテナントの半分を占め、芸術の文化教室「Little Prince ART」のほか、美容系の店も軒を連ねる。飲食はフィリピンで人気の「Poteto Corner」など軽食中心の店が並ぶ。送り迎えをする家庭も多く、800台の駐車スペースを設けた。

 開店を記念して屋外では台湾のアーティストによるビニールで作られた大型の怪獣「YOHO DINO」を7月1日まで、展示している。

 新鴻基地産は「2つの新モールはすでに総テナント数の8割を成約した」と発表し、契約金額は「1平方フィート当たり50~200香港ドル」とした。1日当たりの来館者数は、平日=16万人、日曜・祝日=18万人、1カ月当たりの車両の交通量は12万台になると予想している。

 YOHO MALL IとII、今回オープンする2つのモールにより、総面積は120万平方フィート、店舗数は430で、駐車スペースは2000台に達する巨大施設となる。香港市民に知られる有名店はほぼ全て出店しているほか、映画館や屋外公園も開設。MTRやLRT、バスが集まる一大交通ターミナルでもあり、いわゆる「全部入り」のモールとなる。

 香港政府が新界の開発に力を入れているだけに、2つのモールの同時開業は、西新界エリアにおける元朗地区の地位をより強化することにつながるという見方が強い。

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