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香港・黄竹坑に「シティースーパー」新業態 地域密着型の新ブランドで

黄竹坑(Wong Chuk Hang)駅の「THE SOUTHSIDE」にオープンしたシティスーパーの新業態「city'super
neighbourhood」

黄竹坑(Wong Chuk Hang)駅の「THE SOUTHSIDE」にオープンしたシティスーパーの新業態「city'super neighbourhood」

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 香港の高級スーパーマーケットの一つ「city'super(シティースーパー)」の新店「city'super neighbourhood(シティスーパー・ネイバーフッド)」(Shop 308-313, 3/F, THE SOUTHSIDE, 11 Heung Yip Road, Wong Chuk Hang)が6月21日、黄竹坑(Wong Chuk Hang)にオープンした。昨年営業を始めた駅直結大型ショッピングモール「THE SOUTHSIDE」3階に入居する。

オープン限定商品の35カ月飼育の山形牛

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 日本産の食材やブランドを多く取り扱う高級スーパーとして知られてきたシティースーパー。香港内外で幅広く店舗を展開しているが、香港内でのスーパーマーケット業態の出店は、昨年11月の啓徳(Kai Tak)のショッピングモール「AIRSIDE」への出店が18年ぶりだった。

 今回の店は新業態で、南区(Southern District)には初の出店。もともと構想があった訳ではなく、「MTRから出店打診を受け顧客分析を重ねる中で、新業態開発に至った」という。同社のThomas Woo(トーマス・ウー)社長は「都心商業エリアに位置する既存の店は、デイリー利用よりも、特別な需要のために月1~2回程度、高価格の商品を購入しに来る客が多かった。しかし新店舗は、南区で唯一の大型モール内という立地の特性上、南区の富裕層住民や近年増加しているオフィスワーカーに、毎日のように利用してもらうことが重要と考えた。そこで、都心部の既存店舗よりも、より地域住民の日常のニーズを満たすことに重点を置いた新業態を作ることになった」と話す。

 具体的な取り組みとして、既存店舗とは品ぞろえを一部変更。「手頃な価格で購入できる商品」を「ネイバーフッドプライス」として1000点以上扱い、会員になるとさらに10%引きで購入できる施策も定期的に行う。南区内の買い物客には3時間以内の配送サービスも提供する。

 新業態は、地域の「コミュニティーづくり」にも重きを置く。新業態専用のウェブサイトを立ち上げたほか、地域住民向けのファミリーイベントも積極的に行う。Thomasさんは「周辺にはインターナショナルスクールなど学校が多く、約7000人の生徒がいるため、地域の学校と連携して、食育を目的とした店舗ツアーやワークショップなども企画し、食育のプラットフォームのような場所にしていきたい」とも。

 約2万4000平方フィートある店舗で販売する商品のうち、日本の商品は約3割で、新店舗限定商品や香港初上陸・初出店の日本ブランドなども販売する。

 新店舗限定商品の一つは、かねてより同社に山形牛を卸す山形県の「山口畜産」が、シティースーパーの依頼で限定商品として開発した、通常の和牛の飼育期間(24~28カ月)よりも長い、35カ月間飼育した牛肉。同社の山口治専務は「長期飼育により、きめが細かく鮮やかで光沢がありながら、脂がしつこくない、品評会にも出品ができそうなレベルの高い商品が開発できた」と話す。

 香港初上陸のブランドとしては、「成城石井」の商品を取り扱う。「成城石井とは、同じ高級スーパーとしてかねて交流があった。近年商品ラインアップが増えた成城石井の自社ブランド商品は、シティースーパーの顧客ニーズとマッチすると考え、今回初めて香港で販売することになった」という。

 専門店ゾーンには、400年の歴史を持つカステラの老舗「福砂屋」が、海外初の常設店を構え、「フクサヤキューブ」(36香港ドル)など日本同様の商品を販売する。「これまでシティースーパーでは何度か催事出店し感触が良かったため、この場所を海外初の常設店舗とすることに踏み切った」と、同社取締役の殿村康介さんは話す。

 そのほか、「Ready to Eat」をテーマに、冷凍食品や総菜・弁当など、調理をせずに簡単に食べることができる商品の品ぞろえにも注力。購入した商品をすぐに食べられるよう、店内にシーティングエリアも設ける。

 営業時間は10時~22時。

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