
香港で日本産品を中心に扱う総合スーパーマーケット「一田百貨(YATA)」沙田店(L1 & 2, New Town Plaza 3, 2 Shatin Centre Street, Shatin, Hong Kong)が6月4日、リニューアルオープンした。フードゾーン「一田食堂」を新設したほか、日本で7店舗を展開する酒店「IMADEYA」の海外初進出となる「IMADEYA GINZA SELECTION」も展開する。
海外初進出となる日本の酒店「IMADEYA GINZA SELECTION」
「一田(YATA)」は、香港の大手デベロッパー新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)傘下の小売りブランド。2018年にグランドオープンした沙田店は、駅直結のショッピングモール「新城市広場(ニュータウンプラザ)」に位置し、旗艦店として営業してきた。
今回のリニューアルの目玉の一つは、新たに設けたフードゾーン「一田食堂」。ビブグルマン獲得店や香港初進出の日本ブランドなど13の専門店を集めた。各店で購入した商品を食べることができるイートインスペースを店内外に設けたほか、テイクアウト販売を行う。
香港初上陸のブランドとして、創業100年以上の歴史を持つ東京・築地の卵焼き専門店「つきぢ松露」による「松露玉子焼」が出店。すし店をルーツとする同店は、1946年から卵焼きを本業としている。名物のだし巻き卵「松露玉子焼」(2串、49香港ドル)や「松露玉子サンド」(49香港ドル)のほか、「鳥藤の親子丼」(68香港ドル)、「近江屋牛肉店の牛丼&豚丼」(89香港ドル)など、築地に店を構える他ブランドの商品も販売する。同社副社長の斎藤修司さんは「築地ブランドは香港人にも認知度が高い。オール築地で勝負したい」と意気込む。
食べログの「カレーTOKYO百名店」にも選ばれ、昨年香港に進出した日本のカレー店「カリガリ」も、香港2号店として「Caligari Neighbourhood」を出店。今回は立地環境に合わせ、中環の1号店よりもカジュアルに利用できるよう、ベースのカレーとトッピングを自由に選べるメニュー構成とした。
ほかにも、ミシュランビブグルマンを獲得し、スパイシーな麺類が人気の「兩姉妹涼皮」や、香港のタレント湯怡(Kathy Yuen)さんが手っがけるスイーツショップ「KAKAchevee」など、香港の人気店もそろえた。
酒類を販売するゾーンの一角には、日本の酒販店「IMADEYA」による「IMADEYA GINZA SELECTION」を設けた。同社の海外展開は初で、現場はYATAが運営する。同社取締役の宮本貴臣さんは「香港で日本酒は多く流通しているが、品質管理がされないまま販売されていることも多い。配送から売り場まで徹底した品質管理を行い、日本と変わらないクオリティーで日本酒を販売することにこだわった」と話す。商品は、主に銀座店で販売する日本酒、日本ワイン、本格焼酎など100種類ほどをそろえた。
銀座店スタッフ陳友斌さんは「銀座店は客の半数以上がインバウンド、酸がある軽めの日本酒がアジア人には人気が高い」と話す。現地の販売スタッフにも日本酒の研修を実施し、売り場のPOPやリーフレットで生産者の情報や日本酒の楽しみ方も紹介していくという。
営業時間は10時~22時。