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香港からの訪日客、唯一前年割れ市場に 1日当たりの消費単価は首位維持

訪日客国別ランキングでは韓国、中国、台湾、アメリカに次ぐ5位となった香港

訪日客国別ランキングでは韓国、中国、台湾、アメリカに次ぐ5位となった香港

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 日本政府観光局(JNTO)は1月21日、2025年の訪日外国人観光客統計を発表した。香港からの訪日客は速報値で前年比6.2%減の251万7300人となり、前年を下回った。過去最高だった昨年の268万3500人から16万3500人減少し、国別ランキングでは韓国、中国、台湾、アメリカに次ぐ5位となった。

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 香港は全市場の中で唯一の減少市場となった。その背景には、風水師による地震のうわさが大きく影響し、特に6~7月に減少傾向が目立ったとされる。香港人にとって訪日は「郷下(故郷に帰る)」と呼ばれるほど身近で日常的な行為となっており、その親近感ゆえに「すぐ行けるのだから急ぐ必要はない」と考えられた可能性もある。

 11月7日の高市首相による台湾有事発言を受け、中国政府が渡航自粛を指示した影響はほぼなかったとみられる。一方、青森や山陰で震度5を超える地震が報道され、香港の旅行会社も「キャンセルはないが、新規商品購入の際に直近の渡航を避ける傾向がある」としている。

 香港観光発展局(HKTB)によれば、2025年通年の香港訪問観光客数は4990万人で前年比12%増。中国本土からの訪問者が全体の76%を占め、非中国本土市場は前年比15%増の1210万人となった。台湾、日本、ベトナム、オーストラリア、中東地域からの伸びが顕著だった。地震のうわさで香港人の航空利用が減少した分、日本発の航空運賃が割安となり、日本人の香港渡航は増加した。

 香港から日本への宿泊者数は減少したものの、消費額で見ると依然として注目市場である。1回当たりの旅行支出は22万5,982円。宿泊日数は韓国に次いで短く、2025年は平均6.2泊だったが、1日当たりの消費単価は首位を維持し、1泊あたり3万6,449円となった。

 さらに、香港は多様な国籍の人々が暮らす国際都市であり、総人口752万7500人のうち約92%にあたる約693万人が中華系住民である。単純計算すると、香港では約2.75人に1人が訪日をしたことになる。加えて、香港を拠点とする人々の中にはカナダやオーストラリアのパスポートを保有する者も少なくなく、統計上「香港人」に含まれない在住者の訪日も考慮する必要がある。

 日本の渡航地の中でも最も影響を受けたのは南九州で、鹿児島便は6月29日から、熊本便は7月1日から運休し、現在も復活していない。九州への直行便は福岡に集約されている。

 この状況を受け、香港の旅行会社EGLツアーズはイースター時期に鹿児島へのチャーター便販売を始め、「反応も良い」という。鹿児島や宮崎を巡る4泊5日のコースで、温泉旅館宿泊や桜の名所観光を組み込み、価格は1万香港ドル(約20万円)以上に設定した。

 さらに、3月29日から石垣便、3月31日から小松便も復活するなど、航空路線の拡充や季節需要による回復が期待される。直近12月単月の香港市場は前年同月比1.9%増と回復の兆しを見せ、中国本土の同月前年比40.6%減と対照的な動きを示した。

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