香港の街づくりを担う城市規劃委員会(Town Planning Board)は8月21日、香港政府と香港最大手デベロッパーのひとつ「新世界発展(New World Development)」が提出した星光大道(Avenue of stars)を含めた再開発計画を批准した。
星光大道は2004年に完成。今回の計画はプロムナードが完成してから11年が経過し、施設の一部分に破損部分があることや香港の主要観光スポットとしてよりふさわしいものにするという面もある。7月3日に申請されたもので、批准を受けるための前提として、観光バスの停車場を増やすこと、汚水対策、防火対策、緑化対策など9項目を条件に付けた。
45ページある計画書によると、全体を大きく分けて「文化中心建築群」、芸術と文化とテーマとした「梳士巴利花園」、飲食などができる「尖東海傍西面」、スターの手形のみならず、映画の展覧施設が中心の「星光大道」、舞台などを設置した「尖沙咀海浜花園東面」の5つのゾーンを設定。
具体的には、現在の通りの長さは約400メートルあるが、それを紅ハム側に伸ばす形で長さを倍にする。道の幅は基本的に変わらないが、途中に「電影展覧館」を建設するため道幅が7.5メートルから5メートルに減るところもある。梳士巴利花園には最大2800平方メートルの「美食広場」を増設するほか、休憩用の場所を現在の約1000平方メートルから3300平方メートルに広げる。併せて、レストラン、小売店、映画の展示物、舞台など計3つの建物(最大で計5141平方メートル)を建築。計画通りに実施されると工事のため2~3年間、星光大道が閉鎖されることになる。
現在、1時間に90~200人の通行量があり、改修後は300人から3000人に増えると算出。土曜の午後に人の数が最高に達すると推測する。現在、星光大道を管理運営しているのも新世界発展で、2004年~2024年の20年契約。これまでに一般市民から約340件の意見が寄せられており、その9割が反対意見だという。「利益の衝突」「景観への影響」が主な反対理由に挙げられており、そうした中で批准したことについて香港政府の規劃署は「申請人の身分は考慮していないし、城市規劃委員会でも公衆の憂慮を十分考慮した結果」と、バランスを取った判断だと主張した。
民主派の毛孟靜・立法会議員は「公共の空間が商業化することと、なぜ新世界発展が単独で申請することになるのか疑問。計画の透明性もない」として計画に反対する考えを示している。