香港・中環の威霊頓街に8月9日、熟成豚肉を使ったトンカツやおつまみを中心に提供するコンセプトバー「Porker」(B/F 55 Wellington Street, Central, Hong Kong Tel:6706 5298)がオープンした。
香港で焼き肉店を展開する「298Nikuya」の姉妹店的位置付けとなる同店は、テーブル席とカウンター席合わせて23席を備えている。トンカツはこれまで、定食のようなスタイルが一般的だったが、日本では仕事の後に友人や同僚と一緒に晩ご飯を食べながら酒を飲むスタイルが広がってきたことに目を付け、「香港でも多くのトンカツを提供するレストランや個性のあるバーがあるものの、2つを同時に兼ね備えた場所は珍しい」とP.O.N LTDの安崎彪社長は出店経緯を話す。
同店で使う肉は鹿児島産の三元豚を使う。契約農場から香港まで直送し、温度と湿度管理の下、30日~40日熟成し最も良い状態の時に使うという。豚は小さいころから天然水と乳酸菌を飲むなど、優れた飼育環境の中で飼育され、抗生物質もほぼ接種されていない。焼酎かすと米をメインに食べていることもあり脂には甘みが出るという。さらに、熟成過程で豚肉中のタンパク質が分解され、アミノ酸等の成分が生成されることでうま味が増す。肉がピンク色の熟成豚はサシが均等に入っているのが特徴で、赤身の部分は適度な弾力があり、肉汁が多く柔らかで、脂肪の融点が低いため一口で簡単にかみ切ることができる。
ゆっくりと火入れをしたトンカツ「PORKERセット(熟成豚ロースとヒレ) 」(200香港ドル)をメインに、日本の居酒屋スタイルで、豚もつ煮込み(70香港ドル)やミミガーパクチー(55香港ドル)、自家製のトマトソースを使う「メンチカツトマトソース」(80香港ドル)、「ヒレカツサンド」(70香港ドル)など、豚肉を使ったメニューも提供する。ランチセットは、熟成豚ロースとヒレの2つのメイン料理に、ヒマラヤピンク岩塩または自家製トンカツソースを提供する。定食には豚汁、漬物、ポテトサラダ、キャベツ、米は新潟県産「こしいぶき」を採用した。
力を入れるドリンクメニューも、豚肉に合う日本酒として、奈良で300年以上の歴史がある久保本家酒造が生産する日本酒「睡龍・生?のどぶ」(80香港ドル/グラス)を用意し、ほかのラインアップも自然派ワインの専門家と利き酒師がセレクトしたものを並べ、夜になるとバーに変身するようなスタイルを目指す。
営業時間は、ランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~23時。