2001年以来毎年秋に開催されている「香港国際文学節(The Hong Kong International Literary Festival)」に日本からが「クライマーズ・ハイ」「64」の作者、横山秀夫さん、1996年に「虹を踏む」で芥川賞を受賞した川上弘美さん香港を訪れる。17回目の今年は11月3日から香港大学、芸穂会(Fringe Club)などで開催される。
世界中の小説、歴史、科学、ミステリー、詩などの作品を香港市民に紹介しようとする同イベント。世界中の作者の本を紹介するだけでなく、実際に著名作家からデビュー作家まで幅広く同フェスに招待する。サイン会、討論会、朗読会、ワークショップのほか、企画によっては作家を囲んだランチやディナーまで、さまざまなプログラムから成る同フェスは香港市民からの評判も高いという。
今回招待された作家は、日本、イギリス、メキシコ、中国、パキスタン、シンガポール、アメリカ、地元香港からで構成される。例えば、「ワイルド・スワン」のユン・チアンさん、「ジョイ・ラック・クラブ」のエィミ・タンさんなど日本語版も出版されている作家のほか、スコットランドの著名推理作家イアン・ランキン、ピュリツァー賞を受賞したジャーナリストのイアン・ジョンソンさんなどが登壇する。
日本からは横山さんと川上さんの2人で、日本秋祭のイベントの一つとしても認定された。主催者が2人を招待した理由は、「日本には村上春樹以外にもモダンで素晴らしい作家がいて、世界にもっと注目されるべきと考えがあった。この2人は日本の文学界を引っ張り、いろいろな賞も取っていることから招待されることになった」という。横山さんの「64」は佐藤浩市さん主演で映画化されたが、英語版がイギリス人によって翻訳されニューヨーク・タイムスが大きく取り上げた。川上さんは「古道具 中野商店」が翻訳されており、香港市民に知ってもらいたいことから呼ばれたようだ。
横山さんは11月4日、イアン・ランキンさん、香港の作家、陳浩基(サイモン・チェン)さんと3人で討論会を行うほか、翌5日には「64」について語る。川上さんは4日、「古道具 中野商店」の作品の背景などについての話をする予定。
料金は無料、100香港ドル、125香港ドルの3つが基本(各プログラムは約1時間)で、チケットはウェブで販売中。作家とのランチ、ディナーなどは1,000香港ドル、1,200香港ドル、1,500香港ドルの3種類(約3時間)で、プログラムごとに料金が異なる。すでに一部のプログラムは売り切れており、その際は窓口での販売を行わないため、主催者側では事前にネットでの購入を勧めている。
11月12日まで。