香港で映画館を運営する天馬影視文化(The Pegasus Entertainment Holdings)は10月23日、銅鑼湾(Causeway Bay)の翡翠明珠広場(JP Plaza)に新しい映画館「Cinema City JP」(3/F., JP Plaza, 36 Paterson Street, Causeway Bay, Hong Kong TEL 2360 0910)をオープンした。オープン当日は、多くの芸能人が訪れオープンを祝った。
「Cinema City JP」は、2015年に旺角(Mong Kok)の朗豪坊(Langham Place)、2017年8月に柴湾(Chai Wan)の永利中心(Winner Centre)にオープンし、今回が3館目となる。運営している天馬映視文化は映画製作、プロデュース、映画の版権などの各種権利などを扱う映画ビジネスを行う上場企業で、CEOは「香港人なら知らぬ人はいない」ほど著名な脚本家、プロデューサー、俳優の黄百鳴(Raymond Wong)さんが務める。
天馬映視文化がこれまで手掛けた映画館は、いずれも閉館した映画館で、改めてオーナーと契約し内部改修を行って再び映画館を運営を引き継いだ形だ。映画製作者自ら映画館を運営する事で香港映画を発展させようという事業展開の一つで、香港市民にとっては経営者が変わっただけで映画館は存続することになるため喜ばれているほか、香港映画の地盤沈下を防ぐ役割も担っている。もともと香港にはUA Cinemaと百老匯劇院(Broadway Way Cinema)の2大シネコン運営会社があり、競争は激しい。
差別化を図るため、チケットの価格は他の映画館より若干高く設定するなど高級路線で運営するが、内部は大規模に改修し豪華な内装にするほか、旺角の映画館は香港初の4DX(映画に合わせて座席が動いたり、霧、水、煙が出たりするシアター設備)を採用したことでも話題になった。ほかにも、座席前後のピッチを広くとる、ポップコーンの味を多彩にするなど高めの料金の価値に見合った快適な映画環境を整える。
Cinema City JPは、これまでの設備に加え香港初の4K対応の3Dプロジェクターを導入する。最高画質での3D映画の観賞も可能にすることに加え、幅15メートルの巨大なスクリーンを持ち迫力ある映像が見られるほか、64のスピーカーを駆使して迫力のある音も楽しめる。
スクリーン数は2つで、1つは約380席、もう1つは約280席。料金は、2D=100香港ドル、3D=香港115ドルで、火曜はそれぞれ10香港ドル引きとなる。初回の上映は、2D=月~金38香港ドル・土日祝48香港ドル、3D=同48香港ドル・同58香港ドル。年間120香港ドルを支払って会員になれば映画チケット、飲食物、パンフレットなどの各種商品などが10%引きとなるほか、誕生日には特典が受けられる。天馬映視文化は今後、最低2つの映画館をオープンする計画だ。
営業時間は9時~24時。