香港のデザインのイベント「deTour 2017」が12月1日から、中環(Central)の「元創方(PMQ)」(35 Aberdeen Street, Central, Hong Kong TEL 2870 2335)で開催される。今年のテーマは「糜爛與和諧(Harmonious Chaos)」。ハーモニーと無秩序という相対するものをテーマに、アーティストやデザイナーが作品を作り上げている。
「deTour」は2004年から「設計営商周(Business of Design Week:BoDW)」の一環として始まり、過去には中環の域多利監獄(Victoria Prison)などを使うなど、これまでも香港内各所の店やイベントスペースなどで個性豊かに毎年開催されている。ここ数年はPMQがメイン会場となっており、今年もPMQが夏ごろにdeTourに参加に関するための応募要項を発表。デザイナーはそれに沿った計画書を提出し、参加が認められれば資金援助を受けながら作品を完成させ、展示・公開することができる。今回は20組の香港と外国のデザイナーによる作品を中心に多種多彩な作品を展示する。
PMQの入り口を入ってすぐの場所にある中庭のような広場では、デザイン集団「Broom」による作品「合(he)」が来場者を迎える。これは14メートルの高さから巨大なLEDライトをワイヤーを使ってぶらさげた作品だ。「合」の部首である「ひとやね」のように下の部分が広がっており、「人」という字にも似せた。広がっている空間は人間が十分通る高さ、広さになっており、そこにいろいろな人が集まる場所になってほしいという期待を込める。
PMQの屋外ガーデンでは「種子之旅(Seeding Journey)」と題し、フローリストのジェニファー・チュン(Jennifer Chung)さんが、花でデコレーションを完成させる予定だ。巨大都市(カオス)にもっと緑を運ぶことによってハーモニーというメッセージを込める。
注目作品の一つは、写真家のトミー・ファン(Tommy Fungさん)の「創造●我的超・現実香港 (Real or Surreal)」と題した写真の展示。撮影した写真に特殊加工を施し、先進都市である香港をさらに先進的な都市=想像を超えた香港を表現。例えば、香港のタクシーが空飛ぶタクシーをイメージしたデザインや、もしミニバスが2階建てだったらどんな形になるのかというイメージを提示する。
日本からは香港をベースに活動するアーティスト足立あゆみさんが参加。今年開いた個展「波紋(ripple)」の展示をPMQでも行う。
展示物以外にも70を超えるワークショップを用意し、見るだけではなく体験も重視。陶芸教室、紙を使って造花用の花瓶を作るワークショップをはじめ、ネオンサインと小さなバスケットに入った花を組み合わせてギフトを作るユニークなものまでそろえる。
開場時間は11時~20時。入場無料。12月10日まで。
●=にんべんに尓。