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香港大生、復興支援学習で東北に 復興から学んだことは?

香港大学で自由に見学ができる「若手リーダー日本交流プログラム」の写真展

香港大学で自由に見学ができる「若手リーダー日本交流プログラム」の写真展

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 香港大学構内Run Run Shaw Tower, Centennial Campusで4月4日、香港大日本研究学科の学生による体験学習「若手リーダー日本交流プログラム」のアワードセレモニーが開催され、同時に写真展が始まった。10人の学生が3月5日から6泊7日で宮城と東京を訪れ、撮影した写真を通じて報告するもの。

参加学生の集合写真

 同プログラムは三菱商事の支援で実現したもので、東北地方における震災復興支援への関与、そして持続可能性に焦点を当てた企業の社会的責任(CSR)の取り組みについて学ぶ機会を実現した。2年をかけて作り込まれた交流プログラム支援は昨年初めて行われ、今年はそれに続き2回目の開催となった。

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 同プロジェクトを担当する、同大日本研究学科のジャネット・ボーランド助教授は「関東大震災後の復興」などを研究対象としている。同プログラムで写真を一つの主要要素にしていることについて2つの理由を挙げる。「教室を出て現地で学ぶことはこのプログラムの目的で、普段教室内で学んだ知識をより豊かなものにしてほしいと思うから」と話し、「震災後の回復というテーマを理解するのに、写真を撮るという行為を通じて、さまざまな角度で考えることができる」と考える。加えて、「写真は学生が感じた成果を多くの人と共有することも目的。今回訪問した場所は多くの外国人が訪れたことがない場所だから」とも。学生は写真と一緒に数行の解説文を各写真に添えているが、自然の力やおいしい食事、地元で生産するもの、東北の人への称賛の気持ちや感謝を表す内容がつづられている。

 学生が撮影した写真は、「避難場所が書かれた道路上の表示」や、香港でも販売されている、震災後にITを組み合わせて完成したシステムで作られた「ミガキイチゴ」など、さまざまな視点から撮られている。

 昨年より2日長くなったプログラムでは、三菱商事復興支援財団の支援先でもある震災復興プロジェクトに関わる施設を見学した。その一つである雄勝町にある施設「モリウミアス」では宿泊の機会も得た。地元の小学生や高校生とも交流の時を持ったという。同施設は子どもたちのための複合エコ体験施設で、廃校になっていた小学校を改修し、サステナビリティ(持続可能性)の理念に基づき2015年にオープンした。

 「秋保ワイナリー」は、震災後地域復興のために何かできることはないかという思いに駆られた建築士が地元に戻って開いたワイナリーで、参加学生からは「地元に戻りたい」という気持ちを持てる東北の力に驚いたという声も。香港人から見ると、日本人が持つ「ホームタウン、コミュニティーへの愛が大変深く見える」という。

 「自然に感謝する気持ち」という概念を知ったという学生も多い。「豚や鶏も見たことがなかった」という学生もいて、「食事として頂くもの」への感謝の気持ちについて考える機会になったようだ。

 今年は、昨年は訪れなかつた「池袋防災館」も訪れた。「香港は地震がなくても火災などもある」と話す学生は「地下鉄に消火器はあるが、学校では使い方などを習ったこともないし、いざとなったときに突然使うのは難しい」とも。「防災館みたいなものは香港にもあってもいいのでは」と話す声も聞かれ、災害があることに対する準備の大切さも学ぶ機会となったという。

 今後このプログラムに参加を希望する後輩学生に林卓●さんは「もしこのプログラムに参加するなら、移動中は外を見てほしい」とメッセージを寄せる。「ボーッと外を見ていて、ここは何もないところかなと感じたところに、現地の人から後で、そこが商店街だったが津波で無くなったと聞いて震災の恐ろしさを実感することができたら」と。

 同展示会は香港大ジャパンマンスの一環として開催中。開館時間は9時~18時。入場無料。今月27日まで。

●=土へんに庸