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香港大・東大が夏季交流プログラム 寝食共にしながら課題に取り組む

香港国際空港で喜ぶ学生たち

香港国際空港で喜ぶ学生たち

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 香港大学と東京大学の学生が夏季期間に共同で取り組むジョイントプログラム「HKU-UTokyo Joint Summer Program」が8月1日~11日に行われ、最終日の11日、香港大学構内で成果を発表するプレゼンテーションが行われた。

 今回で4回目を迎えた同プログラムは、これまでの参加者数が111人を数える。通常は通学している香港大学の学生も堅尼地城にある学生寮「Shun Hing College(信興学院)」で東京大学の学生と共に一日の大半を一緒に過ごし、全体を5グループに分けてフィールドワークなどに臨んだ。今年は東京大学から園田茂人副学長率いる17人の学生と、香港大学から中野嘉子准教授率いる8人の学生が参加したが、東京大学側では応募者多数で選考を行うほど希望者が増えているという。東京大学側の学生は法学部から医学部まで多岐に亘るバラエティー豊かな学生が集まり、男子学生の参加が多かった。香港側は日本文化や日本語を学ぶ学生、日本への留学経験がある学生など、日本に興味が高い学生の参加が多い。

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 香港で活躍するビジネスリーダーに話を聞くことも多い同プログラムでは、Shun Hing Collegeでもいくつかのセミナーも開かれた。その一つ、パナソニックの総代理店である信興集團は80年代から教育にも力を入れるようになり、その関係から伝統ある香港の寮に同社の名前が採用されている。セミナーでは、現在同集団を率いるデイビッド・モン(Daivid Mong)会長が、先代の父親ウィリアム・モン(William Mong)博士の時代からどのようにして日本企業と関係を築いてきたか、日本企業から学んだものや香港で販売していく際の現地化の視点などを話し、当時からの顧客第一主義、顧客の声を聴き商品に生かす事例を説明した。

 ほかにも香港国際空港で、JAL29便として羽田から到着した航空機が2時間程度で、再びJAL26便として飛び立つ間の航空機をランプから見学することを許され、荷物を積み下ろす作業現場なども見学した。定時運行を大切にする日本航空が、発着便の多い香港国際空港で、かつ積乱雲や台風なども影響する中、いかに定時運行を守るための努力をしているかなど、中原太支店長自ら話した。「将来は海外で医者として働くことも視野に入れているため参加した」という、東京大学で医学を学ぶ原脩一郎さんは「日本航空での機会は普通の授業や観光などでは得られない貴重な体験」と振り返る。

 学生たちはこのほか、ヤクルト、シティースーパー、三井物産などを訪れ、香港での展開についての話を聞いたうえで11日、グループに分かれてプレゼンテーションに臨み、英語でグループごとに設定した課題について発表した。園田教授は「短い期間の中で、学部の垣根を越えた学生たちが2日間でプレゼンテーションに向けての課題にチャレンジしたこと、クリティカルシンキングを通して多くのリサーチを行いクリエーティブ性が求められる環境に身を置いたこと、そして発想を有機的に結び付け、知識を使うことよりも感情の沸き上がりも含めた直観のひらめきを発揮させ、通常の生活とは違う環境につながれたこと」など非日常の空間やつながりを通じて学ぶことに同プログラムの意義があると総評した。