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香港で初の「球磨焼酎案内人養成講座」 オンラインで日本と同時開催

香港で初開催された「球磨焼酎案内人養成講座」の様子

香港で初開催された「球磨焼酎案内人養成講座」の様子

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 香港では初となる「球磨焼酎案内人養成講座」が8月8日、香港・尖沙咀の和食レストラン「割烹 櫓杏」で開催された。主催は球磨焼酎酒造組合と熊本県で、「米の日」「球磨焼酎の日」に合わせて開催した。

熊本の名物料理と共に試飲会も実施

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 球磨焼酎は、500年以上の歴史を持つ、熊本県人吉球磨地方の米焼酎。「スコッチウイスキー」「ボルドーワイン」などと同様に「地理的表示の産地指定」を受け、地名を冠することを世界的に認められているブランド。「国産米のみを原料として、球磨地方の水で仕込み、球磨地方で蒸留・瓶詰めを行った焼酎」のみが「球磨焼酎」を名乗ることができる。

 同講座は、「歴史ある球磨焼酎の知識を深め、その魅力を多くの人へ伝える案内人を認定すること」を目的とした制度で、満20歳以上であれば誰でも受けることができる。受講者は1時間程度の講義を受講した後に検定試験を受け、合格すると「球磨焼酎案内人認定カード」と「案内人バッジ」をもらう仕組み。

 これまでも同講座は日本各地で開催されていたが、海外の会場と一斉同時開催するのは今回が初めて。当日はメイン会場となった熊本や産地の人吉のほか、東京・大阪・福岡・台湾の計7カ所をリモートでつなぎ、1部ではオンライン講義と検定試験、2部で試飲会を兼ねた交流会を行った。

 今回は、香港の日系飲食店や日本食材を扱う企業の関係者など約20人が参加。「球磨焼酎大使」でもある在香港日本国総領事館の岡田健一総領事(大使)も参加し、「香港でも、球磨焼酎をはじめとする日本の焼酎文化を、ぜひ共に盛り上げてほしい」と思いを語った。

 球磨焼酎は、樽熟成がきいた洋酒のような風味のものや、日本酒のような華やかな味わいのものなど、製法や貯蔵方法、各蔵元の個性により、香りと味が4タイプに分類されているのも特徴の一つ。2部では、参加者は、大石酒造場の「大石」、寿福酒造の「武者返し」、鳥飼酒造の「鳥飼」、松下醸造場の「最古蔵」など、タイプ別の銘柄を試飲し、味の違いを体感した。参加者の一人は「同じ球磨焼酎でも、タイプによって風味が全然違うことに驚いた」と振り返る。

 会場となった櫓杏で普段メニューとして提供している「からしれんこん」、ちくわの穴にポテトサラダを詰めた「サラダちくわ」など、熊本ならではのつまみも試飲に合わせて用意。参加者は、球磨焼酎と熊本の名物料理を味わいながら、参加者同士の交流や、各会場とのリモート交流を楽しんだ。

 熊本県香港事務所の岡田理花所長は「香港でのさらなる焼酎の認知度向上や輸入・販路拡大には、香港で焼酎ファンを増やしていくことが重要。今回初めての試みだったが、球磨焼酎や焼酎文化の魅力を語れる人を香港でも増やしていくことは、ファン拡大につながるはず」と期待を込める。

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