香港・銅鑼湾のオフィス街近くに1月21日、日本米を100%使うおにぎりの店「幸福・駅」(Shop 5A, G/F, Lei Shun Court, 118 Leighton Road, Causeway Bay TEL 2234-5114)がオープンした。
おにぎりの専門店は、日本人が経営する「華御結」が40店以上を構え着実に店舗数を増やしマーケットを拡大しているが、同店は香港人経営である強みを生かし、香港ローカルに受け入れられる内容とブランドづくりで勝負する。店名は北海道にスキーに行った際、「幸福駅」という駅が実際にあることを知り、「幸せになるために働きたい」というイメージから名付けたという。
店舗はおにぎりが並ぶショーケースを店頭に、調理スペースなどを兼ねそなえた200スクエアフィートほどける店舗で、ショーケースの前にはその場で食べることもできるイートインスペースも設ける。
現在、おにぎりの種類は21種類。梅、サケ、明太子など日本人にとって定番のものも扱うが、メインに並ぶのは香港らしい具の数々。マヨネーズを使ったものだけでも、「明太マヨ」「サケマヨ」(18香港ドル)、「ツナマヨ」(16香港ドル)、「伊勢海老マヨ」(20香港ドル)、「タラバガニとびっこマヨ」(18香港ドル)の5種類をそろえる。「具に関しては香港人が好むものをラインアップするようにしている」とオーナーの一人、バリー・ラム(Lam Hiu Shun Barry)さん。新潟産の「こしいぶき」を使うが、米のブランドにこだわるよりもより粘り気がありるものを探すなど、今後改善していきたいようだ。
現在の売れ筋は、1位=「蒲焼き鰻魚(うなぎ)」(18香港ドル)、2位=看板メニューとして掲げる「皇帝蟹棒蟹子沙律(タラバガニとびっこマヨ)」、3位=「日本龍蝦沙律(伊勢海老マヨ)」。具の量は香港人が好むように少し多めにしているというが、香港に合わせるのではなく、日本と同じクオリティーのものを出すよう努力しているという。
のりは香港では日本のコンビニと同じ形のものをフィルムごと日本から買い、店舗で炊いた米を電動のおむすび製造機に入れて三角の形状に出されたものに具を置き、もう一つの三角の形状のものをかぶせて重ねる。香港は日本と冷蔵の温度管理が異なるため、「日本より温度の低い冷蔵の中で管理しないといけないことがおむすびの食感に影響してしまう」と心配するも、「最大でも24時間以下のものしか販売しないことで同じレベルに持っていけたらと」バリーさん。現在は毎日300個を販売しているが、将来的には1000個レベルに持っていきたいと意気込む。
香港ではローカルの大衆食堂で朝食を食べても40香港ドル程度は必要だが、「おにぎりは手軽に朝食として利用することもできるし、山登りをはじめスポーツをする人も多いため、その手軽さで好む人が増えていくのでは」と分析し、さまざまなシチュエーションで食べるシーンを想定している。
営業時間は8時~20時(日曜は11時~)。